【女とケシ畑】


その女からはいつもケシの匂いがした


週に一度


女は私に内緒で南のケシ畑に行く


女は帰って来るとヘロヘロで


「アタスはいすらってしらわせよ」と


呂律の回らない戯言を呟いていた


ベッドに身を投げ出した女の肢体が艶かしいので


私はいつも女の横に添い寝してまぐわってやる


恍惚とした女はさらにケシの匂いを強め


「この世にある全ての快楽を与えて欲しい」と


私に哀願する


だから私は女に苦痛を与えることにした


女が知らない間にケシ畑を焼き払って


この世にあるすべての快楽を無いものとした


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