【カンカン踊り】
貧乏長屋に住む運の無い染織り職人の男は
江戸の大店に嫁いだ娘が流行り病にかかって仏様になって長屋に戻ってくると
酒を浴びるように呑んで
得意のカンカン踊りを近隣に披露した
冷たい娘を後ろから抱きかかえ、死に装束の二人羽織
朱をさした青白い死に化粧にリンとリン棒を持たせてカンカン、カンカン、遮二無二打ち鳴らす
娘の葬儀は近隣中の仲間が集まってのお祭り騒ぎ
陽気な音頭で
カンカン、カンカン、
やれ悔しや、やれ悔しや
大店の旦那は金の亡者
大店の若旦那は色狂い
貧乏長屋の哀れな娘は骨までしゃぶられお釈迦様
カンカン、カンカン、
やれ悔しさ、やれ恨めしや
釣られた娘は冷たく笑って
カンカン踊りは一晩中続いた
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