第20話 【宝船にまつわるエトセトラ】


宝船が見えたら死ぬという話を聞いて


僕はまた一人部屋でほくそ笑んだ


本来縁起が良いとされているものが死や不幸の方にベクトルを向けている面白さ


しまった、また非日常へ没我しちゃうなぁ


早く用事を済ませて風邪を治さないと抉れるぞ


曇り空の下で干した洗濯物がパタパタ鳴っている


白い帆をあげて


金塊やら米俵やらを積んだ七福神たちがゆらーりゆらーりと木船でやってきた


祭りで血が騒いだお爺さんはその船をどこかの町内の神輿だと思ったそうだ


それであの世行き


レーサーの業界ではタブーだ


なんで宝船なんだろうな?

なんで宝船なんだろうな?


僕はとりあえずその疑問に半日を費やしてみた


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