第26話【八王子事変】


大学のキャンパスで、師と仰ぐ言論が斬りつけられた。


言葉で受ける傷と暴力で受ける傷は、おそらく脳内で比例するのだ。


終わりなき日常に退屈して疲弊する者たちによる怨恨と報復。


僕たちの感情の劣化は既に深刻なレベルに達している。


この哀れな島国が終わるのは仕方がないとしても、せめてその終わり方。


その終わり方に美学が欲しい。


出来れば潔く笑って散って逝く。


そんな余裕はまだあるだろうか……

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