【下北心中】



無限地獄に墜ちた男たちの映画に感極まって


千歳船橋の女の尻を追いかけて下北で心中


しけた土曜の夜だった


すりかえられた運命に踊る男たちの結末を知らずに


人も疎らな雑踏の街路樹で首を括り


ぽっかり開いた無間地獄の入口に立つ


終焉は序曲に過ぎず


苦しみは果てしなくループする


下北の夜のそぼ降る雨の中


ライトアップされた哀れな男女の寝顔がしとしとと泣き


墜落して


そして笑った


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る