【天職】
夢の島に近い、潮の香りがする倉庫
それは新しく得た「骨磨き」のバイト
朝九時に出勤して、夕方六時まで只管せっせと骨を磨く
動物の骨 鳥の骨 魚の骨
人間の骨もある
せっせと磨いたら、手や足、頭や胴体などのそれぞれのパーツを丁寧に組み立て直す
多くは東洋の骨だが、もちろん西洋の骨もあり、たまに北洋、南洋の骨も磨いて組み立てる
安い賃金だが、作業員は皆恍惚とした表情で仕事をしている
七月、八月は繁忙期で、たくさんの骨が運ばれてくる
あくまで噂だが、お盆の時期には仏舎利も運ばれてくるらしい
(お釈迦様の骨)
仏舎利磨きはベテランの仕事
仏舎利磨きを任せられればそれは一人前として認められた事になる
僕はまだ入ったばかりの新米だから仏舎利磨きは夢のまた夢だ
仏舎利磨きのベテラン作業員たちは皆悟りを拓いているという
仏舎利を真剣に磨けばそれが自ずと分かるのだ
骨磨きのバイト
やはり僕にとってそれは天職なのである
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