【終いは桜の木の下で】
私が死ぬときには
私自らが墓穴を掘って
桜の木の真下に潜り込もうと思う
死に際に立たされた飼い猫が家の主に内緒でひっそりと行方を眩ますように
私も誰にも知られずに桜の木の下に潜り込むのだ
そこにはすでに誰彼によって殺された無念の先客がいるかもしれないが
構わず避けてそこに骨を埋めようと思う
そして春には満開の桜を咲かせて
私の真上で穏やかに酒盛りを始めた酔狂たちの零れた酒を失敬する
零れた酒を冥い土の中で一人堪能するのだ
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