【死神】



常に100メートルの射程距離圏内でこちらを窺っている


建物と建物の隙間を縫って移動し


片時もこちらから目を離さず


然るべき死のタイミングを図っている


手段は選ばない


場所も時間も選ばない


時として僕と同じ100メートルの射程距離圏内にいる全ての人間を巻き添えにする事もある


黒い装束に長い鎌を持った骸骨の姿で知られているが


死神の顔は誰も知らない


死の瞬間に見る死神は


死んでゆく者にしか


みえないのかもしれない


その姿を他人に語る前に


人はみな


死の世界へ旅立ってしまう


(「ザ・コクピット~死神の羽音」より一部引用)


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