【あるお寺】
こんな夢を見た。
お寺の境内にお婆さんが1人やって来る。
お遍路さんのような白装束と経文を記した法被の格好で、コンクリート造りの殺風景な建物に入っていった。
「待合所」と書かれた建物の中は雛壇になった冷たいコンクリートの床に薄い座布団が敷いてあり、お婆さんはそこに座ってジッと誰かを待っていた。
待合所の中には他にも何人かお年寄りがいて、
みんな自死を望んでいる。
このお寺は身寄りがなくて生きる事が困難な人や、何らかの理由で生きる望みを失った人たちが集まる場所で、お寺の住職がその人たちの話を親身に聞く。
住職との話し合いで自死を思い止まった人は家に帰り、決意を新たにした人はお寺で自殺する。
自殺した人たちの遺体はそのままお寺が片付け、丁重に供養する。
次第に日が落ちてきた待合所は暗く静かに、住職が来るのをただ待っていた。
その日はなぜか住職も白装束を着て現れ、「皆で極楽浄土へ行く」と説得し、本堂に火をつけた。
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