Episode.16『 Operation“JP”』

「ふっふっふっ……」


 ……冴子の不敵な笑いがこだました……


「な……何? さえこ、ちょっと怖いよ」


「怖い事なんて無いわよ! まあ、ここは私に任せておきなさい!」……と言って冴子が自分の胸を叩いて『ケホン』……とむせた。


 ……大丈夫かなあ?



 私は、おみやげにクラブサンドとレモネードを買ってお店を出た。


 お店の前では、例の高級車と女性警察官……『常盤ときわ警部補』が待っていてくれた。


 常盤さんにおみやげを渡すと、恐縮された上、規則だから……と言っておみやげの代金を渡された。 ……却って申し訳なかったかな?


 他愛もない話をしながら家に着いた。 お礼をしながら車を降りると……


「『めぐみ』……さん」……と、常盤さんが話しかけてきた。


「……?」


わたくし、長年警護の任に就いておりますが、貴女あなたほど優しく、楽しい気持にさせて下さるかたは初めてです。 わたくしが言うのも変ですが、貴女あなたなら絶対に幸せな結婚が出来ますよ。 それだけは信じて下さいね」……と言って、とても暖かい笑顔をくれた。


「ありがとうございます!」


 ……私の心の中も、暖かい気持ちでいっぱいになった


***********


 数日後、ようやく、マスクと伊達メガネを着用すれば、公共交通機関を使って良いという許可が下りた。


 それを見計らったかのように、冴子から呼び出しの連絡が来た。


 期待と不安を胸に指定のお店に入ると……


「Oh~! So cute girl!」


 ……ホ? What!?


 やたらめったら背の高い、美白の欧米男性がたが 、Shinning Smile ……いや、輝くような笑顔で近づいて来た!


 Where am i ? 此処は何処?


「Hi! Megumi! Nice to meet you!」


「Saeko!?」……もとい「さっ……さえこ!?」


 冴子が近づいて来て……


「……私思い付いたの! 外人さんなら、めぐみの悩みを一気に解決出来るでしょ? 名付けて『JP大作戦』!」と、耳打ちしてウインクした。


 ……うん、確かに外人さんと結婚すれば私の名前『使手恵してえ』も『何とか』っぽくなるし、こんな小さな島国の小さな出来事はこだわらないような気がする。


 イイかも〜!


「Nice idea よ! さえこ、良く思い付いたわね!」


「ふふふっ! この前、めぐみが『テロリスト』とか『軍隊』とか言ってたじゃない? それから『米軍』を連想して、外人さんとなら、万事OKって思い付いちゃったのよね〜」……と、ドヤ顔をした。


「え? じゃあ、この人たちって……軍人さん?」


 ……どの人もヒョロリとして草食っぽくて戦う姿を想像出来ないが……


「……いや、さすがの私も米軍関係の伝手つては無いから、会社の取引先に何気なく話したら集まってくれたのよ」


「へぇ〜……ところで、気になったんだけど、今回の作戦? の『JP』って何? 『ジャパン』?」


 ……冴子が人差し指を立て……


「チッチッチッ! 『Joint Party』!……『合コン』って事よ!」


 ズコッ! ←古!


 ……結局、合コンなのね……(苦笑)


 

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