「ふえぇぇぇぇ～～～～～ん！　……私、やっぱり、お嫁に行けない〜〜」

「お〜、よしよし……ホントに可哀想に……」

　親友の冴子が泣きながら頭をポンポンしてくれた。

＊＊＊＊＊＊＊＊

『JP大作戦』の最中、白人さんの一人が唐突に……

「メグミサンのFamily nameはナンデスカ？」と、屈託の無い笑顔で聴いて来た。

　ドキンッ！

「カレはニッポンジンのFamily name……『ミョウジ』のresearchをシテルッス！」

「ソウデース！　『ナはタイをアラワス』とイイマスネ！　メグミさんはvery very cuteダカラ、さぞ風雅なお名前でショウネ！？」

　……『風雅』って言葉を知ってるって、中々の日本語通ね……と感心しつつ、今度ばかりはお相手がガイジンサンだから、名字は関係ないだろうと思い……

「はい……My name is 『使手恵（Shitee）　蛸殴（Takonaguri）』！」と答えた。

　……お相手は、皆キョトンとした顔で固まっている。

「What's……What’s your name mean？」

　一人が、スマホで『Takonaguri』……と検索し……青ざめた

「What the Fuc〇!」

　……そして、スマホを私に見せつつ、何かメチャクチャ怒ってる～！

　スマホには、例の『蛸殴（たこなぐり）家』の家紋……タコが殴られている絵柄……が映し出されていた！　よりによって、このタイミングで、何でそれが出て来ちゃったの～（泣）

　慌ててスマホでリアルタイム音声翻訳すると、どうやら……

「日本人は野蛮だ！　クジラやイルカに飽き足らず、あんなに可愛いタコを殴るなんて！」

「暴力反対！」

　ちょっと待って～～～！　私、タコを殴った事なんて無いし、クジラを食べた事も無いです～～～！

　……と言っても、後の祭り……

　彼らは茹でダコのような真っ赤な顔で帰ってしまった。

　……必死に弁解している私たちと、散々呑んだり食べたりした莫大な飲食代を残して……。

　……今回の冒頭に続く……

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