Episode.23 Traditional story

「……あったあった! 『蛸殴たこなぐり源五郎みなごろう記』!」


「わーい! ありがとー!」


「確か……結構、序盤だった記憶が……」


 ……私も横から覗いたのだが、見えたのは……


 ミミズ!? ……薄茶色の和紙? の上を、黒っぽいミミズがっている! 


 よく見たら……これ……文字!? こんなの良く解読出来るわね! 冴子、凄い! 天才!


「……これだわ! 『降霊乃段』! ……え〜と……『源五郎みなごろう宿願しゅくがんこそ……怨敵おんてき烏賊いか十兵衛の……首級しるし……を上げ……馬鈴ばれいの地をべる事……なり』……ふむふむ!」


『シュクガン』? 『オンテキ』? ……なんかめちゃくちゃ難しそう。 ……『チをスベル』? ……へぇ〜! この頃から日本にスキーってあったのね ←誤


「……しかるに……大君おおきみより……蛸殴たこなぐりの名をかんする事を認められし……我が……血族が祖……蛸殴たこなぐりの諏打鼓すだこ! ……に……頼らんとす!」


 ……と言って、冴子が満足そうに私を見た!


 間違いない! あの酢ダコ仮面の事だ!

 

「……源五郎みなごろうは、陰陽師安倍晴明あべのせいめい落胤らくいん末裔まつえい……安倍あべの小清明こせいめいなる者に……祖霊を召喚するすべを……尋ねたり……」


『ZZZ……ZZZzzz……』……はっ! やばい! 寝ちゃった(泣) 私……昔から化学と歴史は苦手なのよね……。


 ……冴子は、食い入るようにスマホを視ていたが……


「めぐみ! 判ったよ! 蛸殴たこなぐりの諏打鼓すだこを呼び出す方法!」……と、私の手を取って嬉しそうに言った!


「わーい、わーい!」私たちは、しばし手をとって喜び合った。


 冴子によると……


 安土桃山時代の武将『蛸殴たこなぐり源五郎みなごろう』は『烏賊いか十兵衛じゅうべえ』という男に両親を殺され、その敵討かたきうちと、その領地である『馬鈴ばれい藩』を手に入れる為、とても強かった蛸殴たこなぐりの諏打鼓すだこの霊を呼び出して味方に付けようと、あの 『安倍晴明』の愛人が産んだ子の子孫『安倍あべの小晴明こせいめい』に相談した……との事。


 その秘術……『降霊術』の謎が明らかになる時が、刻一刻と近付いていた。


……神秘の扉が、今……開かれる!



……のか?


 次回『Episode24』をお楽しみに😆


 ……おーい! 読者の方々〜! 付いて来られてますかぁ〜!?💦

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