Episode.22『Digital』
「な、な、なんでさえこが、あの『酢ダコ仮面』……いや、私のご先祖さまを知ってるの!?」
「……実はね、めぐみと知り合う少し前……私が卒論で『最も史実に近い戦国武将像の研究』をテーマに決めて色々資料集めをしていた時『国立立法府図書館』で『
「タ コ 殴 り 皆 殺 し 記!?」
「『
何? その本!?
「『
おー! 冴子って、実は
……それにしても、『氏』があるせいで『皆殺し記』みたいになっちゃったじゃん!
あっ! でも戦国時代なら、そのくらいヤンチャな題名の方が良いのかもね (←ご都合主義)
……? 待って!? 『戦国時代』? ……あの酢ダコって『平安時代』の貴族じゃ無かったっけ?
「……さて本題はここからよ! ……その本に『降霊乃段』って一節があって、自分の祖先で都を襲った鬼をタコ殴りにして退治し、
なんとびっくり! そんな記録を遺してくれてたとは! 有難う! 源五郎!(←友達かっ)
私は身を乗り出して……
「で? で? 酢ダコを呼び出す方法は!?」……とワクワクしながら訊ねた。
がっ!
「ごめん! ……さっきも言ったけど、私の卒論テーマは『最も史実に近い戦国武将像の研究』……『降霊術』なんて『最も史実から遠い」と思ったからスルーしちゃった! テヘペロッ」
残念……。
……でも、酢ダコを呼び出すヒントが立法府図書館にあるのが判ったのは大収穫だった!
ありがとう! さえこ! やっぱり持つべきものは親友ね!
「行こ! 行こ! ねっ! 今すぐ行こっ!」私は立ち上がり、冴子の腕を引っ張った!
「まあまあ! 慌てない慌てない! こんな時間じゃあ、もう終わってる……って。 ……それに、良い方法があるのよ!」
良い方法!?
「じゃーん!」
と言いながら、冴子は笑顔でスマホの画面を私に向けた。
……そこには……
『デジタル国立立法府図書館』の文字が!
凄い! 凄い凄い凄いっ!
「さえこ素敵! さえこが男なら絶対に結婚してる!」
「こらこら、まあ、先ずは落ち着いきたまえ! はい、深呼吸! ひ~ひ〜ふ〜っ」
ひ~ひ〜ふ〜、ひ〜ひ〜ふ〜っ
……ん? 何か違わない?
ま、まあ良いや! 落ち着いた!
「では、調べるね〜」冴子がスマホで検索し始めた!
ドキドキッ♡
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