Episode.34 New challenge!

 チャミさんのお家にお邪魔してから数日後、幸せにつつまれている冴子に『恋愛の秘訣』を教えて貰いたくなって電話した。


「さえこ〜、忙しい〜〜?」


『いいえ、今日はチャミさん『特別授業』で、生徒さんに武道を教えてるから、私は暇よ〜』


 え〜! ぶ! ブドウ!? チャミさん農園経営してるの!?


『違う違う! 武道! 剣道とか柔道とか……あと歴史とかも教えてるの』


 ……あんなに優しそうなお爺さんが剣を振り回すの!? 見かけによらないものだ。


 ……さて、それはそうと……


 私は『蛸殴たこなぐり』という素っ頓狂な名字から逃れたくて結婚を望んでいたけど、本当にお相手を好きだったのかどうか考えると、そうでもなかったんだと思う。


 ……今考えると、私が『好き』って思えたのは高校の同級生だった『瀬楠せぐす 信太しんた』だけだ。 そんなあいつは、私の親友『柿崎 宏美』と婚約し、もうすぐ式を挙げる。(自分で言うのは照れちゃいますが、2人の絆を深めたのは私の活躍があったからなのです。 それについては本編『Episode.06』から『Episode.10』をご参照下さい)


『恋』って……どうすれば出来るのか、冴子に率直に聞いてみた。


 冴子は『私、めぐみに偉そうな事を言えた立場じゃないけど、1つだけ言わせて貰うとするなら……めぐみは『恋愛を』なんじゃないかって思うんだ』と言った。


 え!? ど! ど~ゆ~こと!?


『私ね、めぐみは何もしなくても男性が言い寄って来るだと前から思ってたの。 古傷を思い出させて申し訳無いけど、駅前でナンパ師が殺到して暴動が起きたり、SNSに写真を投稿しただけでネット回線がパンクしたりしたでしょ?』


 ……はい……思い出したくも無いけど忘れられない、あの事件たちですね……。(本編、過去のEpisodeをお読みいただけましたら幸甚で御座います🙇🏻‍♂️)


『めぐみの趣味って何?』


 ……!


 私の趣味……か……。


 ウィンドウショッピングとか女子会とかカラオケとか……


 ウィンドウショッピング:男性がたかって来て、のんびり見ていられない(泣)


 女子会:趣味って言える?


 カラオケ:……


 カラオケ!


「私、カラオケ大好き! これって趣味になるかな?」


『カラオケ! 良いじゃない! 立派な趣味よ~!』


「でも、カラオケしてるだけで出会いなんてある~?」


『めぐみ! その考えを変えなきゃ! 出会いを思考の中心に持っていてはダメよ! 先ずは、自分が心の底から楽しむこと!』


「そ、そうね! うん! 楽しむ!」


『今度時間がある時に一緒に行こうか! ……チャミさんも誘って良い?』


「もちろんよ! ……むしろ付き合わせちゃって申し訳ないな~」


『とんでもない! 私も楽しみよ!』


 ……その後冴子とカラオケの日時を決めて電話を切った。



 なんか、ものすごくワクワクして来たぞぉ~(^^♪

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