Episode.39 My name is……

『ハンドルネーム』か……


 ……繰り返し言っているが、私は本名の『蛸殴たこなぐり使手恵してえ』という名前が、嫌で嫌で仕方がない。


 だからこそ、名字を変える為に、1日でも早く結婚したかった。


 ……私は本名で呼ばれると不機嫌になったり、平安時代、みやこを荒らす鬼をタコ殴りにして退治し、当時のミカド? だかミスド? だかに『蛸殴』の名字をたまわりやがった『蛸殴たこなぐり諏打鼓すだこ』ってご先祖さまが現世に現れた時はイライラを隠せず『タコ殴りにすっぞマジで!』とか暴言を吐くやんちゃな面を見せてしまった事もあった。


 でも真の姿は、お花や生き物をで、楚々として奥ゆかしく、それでいて凛とした美しさを秘めた乙女……それが……わ・た・し……。

(↑……ん!? そこの人! 何か言いたそうね? 表に出なさいよ! タコ殴りにすっぞマジで💢 ……あらやだ! 私としたことが……おほほほほ)


 と、とにかく!


 す べ て 『   』  っ て 名 前 が 悪 い !


 そうだ💡


『タコ』に優しい名前にしてみよう!


 ……タコさんを……可愛がる……。


 ……タコさん……ナデナデ……


 ……タコ……ナデ……!


『タコナーデ』!


 どう? なんか『セレナーデ』っぽくない!?(←ない!?)


 ……う〜ん……これだけだとちょっと寂しいかな?


めぐみ』を音読みして『ケイ』……


『タコナーデ・ケイ』


 いや……


『ケイ・タコナーデ』!


「どう? このハンドルネーム!?」


 冴子は……「めぐみは『タコ』の部分は嫌いじゃなかったのね!意外〜〜!」と言って笑った。


「そうなんです。 タコちゃんに罪は無いからね〜」


「めぐみが良いなら、私は賛成っ! 『ケイ・タコナーデ』なんてラテンっぽい名前の人が、あの超絶ベタな日本語の歌を歌うってのも、意外性があって良いんじゃない!?」


 冴子! ありがと!


 私は、例のAIマイクを持ち、小指を立て、気取って言ってみた……


『みなさま……初めまして……『ケイ・タコナーデ』と申します。 以後、お見知り置きを……』


 きゃああぁぁ〜〜〜♪


 超楽しぃ〜〜〜!


 ↑読者の皆様に、この楽しさ……伝わって欲しいなあ💦(←切実)

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