Episode.41 SAYONARA……

 翌日……


 以前も書いたが、私はレストランで給仕の仕事をしており、立ちっぱなので仕事帰りはいつも足がむくみ、パンプスに違和感を感じつつ歩いている。


 ……のですが!


 今日は全く違う😆


 楽しい事があると代謝も良くなるからか、『むくみ』なんて気にならないのね~♪


 鼻歌を歌いながら(曲はもちろん『恋のつぼみはカッチカチ』(笑))買い物をしていると、新着メール通知が来た。


 何気なく見ると……


『コンソメ』さん!?


『コンソメ』さんは、私が登録した動画投稿サイト『チキボン』のアイコンをお借りした絵師の方だ。(前回のお話をご参照下さい🙇🏻)


 メールを開くと、そこに文面は無く……


 真っ赤になって目を吊り上げ、大汗をかきながら暴れ回っているタコさんのイラスト1枚だけが添付されていた!


 え? え? どういう事!?


『コンソメ』さんが激怒している事に間違いはなさそうだけど……なんで〜!?💦


 イラストの使用許可も頂いたし、例の『歌ってみた動画』の再生数だって、昨日は888再生で、ネット回線に異常が発生しているような報道も無い。


 何かご迷惑をおかけするような事は全く思い浮かばない!


 ……今まで、様々なトラブルに巻き込まれて来た私だけど、私の行動が人にご迷惑をおかけした事は無かった。(……と思いたい😥)


 しかし今回『コンソメ』さんを激怒させてしまう何かが起きてしまったなら、これはまごう事無き私の責任だ(号泣)


 早急に対策を取らなくちゃ!


 私はコンビニの奥にあるイートインスペースに駆け込み『コンソメ』さんに……


『前略、先ほどコンソメさまからのお怒りのイラストを拝見しました! 先ずはご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありません! 早急に投稿を削除し、アカウントを停止致します!』  


 ……とメールした!


 次はアカウントの止め方だ!


 まさかこんなに早くアカウントを削除する羽目になるなんて考えていなかったから、方法なんて判らない。


『チキボン アカウント 削除』……と検索窓に入力し、表示を待った。


『チキボンのアカウント削除方法』


 表示された文字を見て、ふと我に返った。


 あんなにワクワクしたり、心から楽しんで歌っていた自分の姿を思い出し、ちょっぴり自分が可哀想になってしまった。


 急に涙が瞼にあふれ、スマホの画面が滲んだ。


 ……!


 いやいや! 今はソレどころじゃない! 一刻も早く投稿を削除し『コンソメ』さんに改めて謝らなくちゃ!


 私は、流れる涙を拭う事も忘れ、必死にアカウント削除の方法を読み進めた!


 メニューから『アカウント停止』を選択して『投稿全てが消去される事に同意する』にチェックを入れてOKをタップすれば、それだけで全て消去されるそうだ。


 呆気ないな……。


 さよなら……私の青春……


 さよなら……私の『ケイ・タコナーデ』……本当に短い間だったけど、楽しかったよ……。


『同意する』にチェックを入れ、OKをタップする……。



『ポーン!』


 ん? メール通知!?

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