Episode.13 Caution

 宏美がテーブルを拭きながら……


「……私、思うんだけど、めぐみは『名前を変えたい』って気持ちが強すぎて『結婚して』って連発しすぎなんじゃないかなあ?」……と言った。


「え? ダメなの!?」


「『ダメ』って断定は出来ないけど、普通、めぐみみたいに可愛い女の子は、自分から『結婚して!』なんて言わないよ」


 マジ〜⤴!?


「人によっては『これは冗談か? ドッキリか? あるいは何かの罠かな?』……って思うんじゃないかな」


 ……宏美に言われてハッとした。 確かに、そう言われてみれば『結婚して〜!』って言い過ぎてたかも!


 私は宏美の手を取って「ありがとう! ありがとう!」 ……と、何度も何度も、お礼を言った。


『パチパチパチ』……いつの間にか戻って来ていた瀬楠せぐすが、良~い笑顔で拍手して「イイね! 女同士の友情は見ていて美しい!」と言った。


 ありがと、宏美、瀬楠!


 よーし! そうと決まれば前祝まえいわいだ! パ~っといこう!


 

 ……楽しい時間はあっという間に過ぎ、お開きの時間になった。


 私は二人と固い握手を交わし、お別れを……



 そうだ! 『忠告』を忘れてた!


 私は二人の間に入ってこう言った


「……子供が出来ても『使手恵してえ』とか『槍手恵やりてえ』とかって名前付けちゃダメよ!」


 ……二人が大爆笑した! 


 笑かすつもりじゃ無かったんだけど……


 まあ、良っか! 『笑う門には福来る』って言うもんね♡

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