Episode.07 Friends

 久々の再会なのでお茶でもしようって事になり、3人で近くのファーストフード店に入った。


 瀬楠せぐすはジャンボバーガーとコーラとソフトクリーム。


 私はハンバーガーとダブルチーズバーガーとポテトとチキンナゲットとアップルパイとアイスティー。


「お前、相変わらず良く食うなあ〜!」


 ほっとけ! さっき腹が立ったから、その分、お腹が減ったんだ!


「……それでも体型変わらないのはキセキだよな」 


 っさい! そういう体質なの!


 宏美が少し遅れて席に着いた。


 あら! 宏美、ばっちりメイクを直してきた。 前は幼く見えたのに、すっかりお姉さんになっちゃって! 綺麗♡


 手にしてるのは……コールスローサラダ。 ……しかも、ひとつ!?


「ひろみ、これだけ?」


「う……うん」


「ポテトあげるよ! 食べて食べて!」


 その時、瀬楠が……


「放っといて良いんだ。 ……こいつ、もうワンサイズ下のウエディングドレスを着たいっつって食わねぇんだよ」……と言って、ジャンボバーガーの三分の一くらいを豪快に頬張った。


 ウエディング……ドレス……


 二人……結婚するの?


 へ……へえー、良かったねー。


「それはそれは! おめでとう!」


「へへっ……サンキュ〜!」


 瀬楠が照れくさそうに笑った。 


「日取りが決まったら招待状送るから来てくれよな」


「うん。 是非!」



 ……?


 お友達が幸せな結婚をするんだから、私も嬉しい筈なのに……。


 なんでこんなに……笑顔が引きつっちゃうのかな?


『ブーーッ、ブーーッ』と、瀬楠のスマホが鳴った。


「やべ、主任だ! ちょっとごめん」


 低姿勢で電話に出ながら外に向かう瀬楠の背中を見送っていると……


「めぐみ……あ……あのさ……」……と宏美が口ごもりながら言った。


「……ん?」


「……めぐみ、もしかして瀬楠くんの事……好きだったんじゃない?」


 ドキッ!


 ……鼓動が高鳴るのを感じた。

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