Episode.26 Who is He !?

「このもの! 麻呂の時代から、数え歌は『ちゅうちゅうたこかいな』と相場が決まっておるわ! 『かいな』を忘れるとは無知蒙昧にも程があるわい! 恥を知れ恥を!」


 シレモノ? ムチモウマイ!? 相変わらず訳の判らない言葉ばっか使って! ムチなんてウマイわけ無いじゃん!? ←誤


 そもそも、そんなに怒ることじゃないでしょうが! このスダコ仮面め!


 ……って……


 あれ? このタコ(←ホント失礼)真っ赤な顔はしてるけど……あの『タコの仮面』をかぶって無い……。


「……ご先祖さま……タコの仮面は?」


「……ああ、あの仮面は、この前、其方そちの前に姿を現した時以来、何処いずこかに失くしてしまったのじゃ。 ……落ちてらなんだか?」


 ご先祖さまの真っ赤な顔が見る見るうちに色白く変化した。 紛れもない、この前、夢(?)で会った『蛸殴たこなぐりの諏打鼓すだこ』だ。


「この前、パパと会った時は被ってたんでしょ? そこで落としたんじゃ無いの?」


「え? 麻呂は八郎やろう(←父の名前)とうた事などないぞ? 麻呂が会うたのは其方そちと、其方と同じく数え歌を『ちゅうちゅうたこ』までしか唱えなかった『源五郎みなごろう』のみじゃ」


蛸殴たこなぐり源五郎みなごろう』……昔、安倍あべの小晴明こせいめいとか言うインチキ臭い陰陽師? の口車くちぐるまに乗せられて、こうしてご先祖さまを呼び出したと言う、センゴク武将だ。


 ん? 待って!? ちゃんとご先祖さまを呼び出せたって事は、その『小晴明』って人、ひょっとして凄い人だったのかもね!


 さて、それはそれとして……


 じゃあ、この前パパの夢枕に立って私が『お嫁に行っちゃダメ』って言った『スダコ仮面』は……


 いったい……誰!?

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