概要
雪が降るたび、おれは鞍馬のゆきみちを思い出す。
仕事なし。お金なし。やる気なし。夢なし。ダメ人間を立派にやっている兄の雅樹。
そして二十四年ぶりに、突然現れた謎の弟の雅斗。
二人の距離は近いくせに遠い。鞍馬のつづら折という道のように。
これは二十五歳のあの一生一度の冬の、不思議な出来事。
これは、兄弟二人は鞍馬という運命の地に辿り着き、それぞれの人生の選択を直面するそれまでの物語。
そして二十四年ぶりに、突然現れた謎の弟の雅斗。
二人の距離は近いくせに遠い。鞍馬のつづら折という道のように。
これは二十五歳のあの一生一度の冬の、不思議な出来事。
これは、兄弟二人は鞍馬という運命の地に辿り着き、それぞれの人生の選択を直面するそれまでの物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!鼻水をすすって泣いた。こんなの、泣くしかない
物心つく前に、別々に生きることになった双子の兄弟。アメリカ育ちのエリート青年となって突如目の前に現れた弟を妬みつつも、自己嫌悪に苛まれるばかりの金髪ニートの主人公、雅樹。しかし、恵まれた者のように映る弟も、なにか陰のようなものを抱えているようで、それに気づいた雅樹ははじめて弟のことを知りたいと思うようになる。
夢と現実、自分と他者のあいだで揺れる青年期の葛藤が、まさに雪の結晶のように繊細で精密な文章でつづられており、美しい心理描写に絡めとられるようにして作品の世界に引き込まれた。
過去と今を行きつ戻りつ、皆のように未来に向かって歩きはじめたいと願う主人公、雅樹がどのようにして一歩を踏み出…続きを読む