とにかく、人を引き込む文章を書くのが、この作者さんは上手いです。こんなに短いのに。自分も参考にしたいと思える宝物のような表現の数々が散りばめられた文章がこの短い物語には、入っています。ぜひ。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(235文字)
いやあ……。もうひとこと紹介ですべからず語り尽くしてます。こっから先はただの飾り……すらなんないかも。私には到底無理(苦笑)ゴリッゴリ書きに書いて読者に登場人物と物語を押し付けることしか出来ません。
「ボク」にとって、書かれてある文字を読んで意味がわかるようになるのは、いつもとても難しいことなのです。でも、母親が寝る前にしてくれる話は、とてもよくわかって、話すリズムも楽しくて、ボクの頭の中には、その絵が浮かびます。そう、そこは、ボクだけの「映画館」。母親の温かな声を、温かい布団に入って聞ける、そこはいつも一等席なのでしょう。生き辛さだけではないよ。幸せな時間もちゃんとあるよ。そうボクが教えてくれているような気がします。