「ボク」だけの温かい映画館

「ボク」にとって、書かれてある文字を読んで意味がわかるようになるのは、いつもとても難しいことなのです。
でも、母親が寝る前にしてくれる話は、とてもよくわかって、話すリズムも楽しくて、ボクの頭の中には、その絵が浮かびます。
そう、そこは、ボクだけの「映画館」。
母親の温かな声を、温かい布団に入って聞ける、そこはいつも一等席なのでしょう。

生き辛さだけではないよ。
幸せな時間もちゃんとあるよ。

そうボクが教えてくれているような気がします。