概要
生きろと願うことに 理由なんてない
人間の生活を見下ろすカラス達。
彼等の別名を慈鳥という。
彼等の鳴き声が呼ぶのは、果たして不吉の予感だけなのか……?
彼等の別名を慈鳥という。
彼等の鳴き声が呼ぶのは、果たして不吉の予感だけなのか……?
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!その慈鳥は「命」を眺める
カラスを知らない人はいないかと思いますが、「慈鳥」という別名を知る人は少ないのではないでしょうか。実際、私も知りませんでした。
三羽の慈鳥たちを主軸に、三つのエピソードからなるこちらの物語、テーマは「生と死」です。
ある少年に、女子中学生に、そして老婆に。生きている以上、どこかしらで考えざるを得ないテーマが、それぞれの形で訪れます。
…と言ってしまうと重めに感じてしまい、敬遠したくなる方もおられるかもしれませんが、そこはシンプル且つ遊びの効いた筆力のある作者様。
決して重くなり過ぎず、それでいて読後には少し考えさせられる様な…それぞれのエピソードに伴った、じんわりと染み込む解を用意して下…続きを読む - ★★★ Excellent!!!いのちの物語
3作の短編からなる命を描いた物語です。
生とは? 死とは? 誰もが避けられない問いに、真正面から向き合っていきます。
それぞれの短編に出てくる人間の登場人物は異なりますが、共通しているのはカラスたち。慈鳥と呼ばれる彼らの視点から、生と死に関する哲学が紡がれます。
人生において身近な人やペットの死を経験しない人はいないでしょう。
それは祖父母世代に訪れ、やがて親世代に、そして一歩ずつ本人へと近づいてくるもの。
我々は限られた「生」という期間を、神様から与えられた借り物の肉体で経験しているのに、日頃からつねに命について考えている人は少ないはず。
でも日々感謝をもって、かけがえのない時間を過ご…続きを読む