間話 とある村
とある国の、とある辺境の村で、とある夫婦の間に一つの命が誕生した。
夫婦は最近村に来たばかり、そして新婚だった。夫婦は長男の誕生に大いに喜んだ。そんな夫婦のもと、少年は愛情を多分に注がれながら育てられた。
________
半年が経った。
少年は自分の力だけで移動できるようになり、好奇心旺盛だった。
ある日の昼下がり、少年は開きっぱなしの扉から、外を眺めていた。すると、少年の目に、森の方で何かが青くきらめいたのが映った。
少年はそれが無性に気になって仕方がなかった。少年は引き付けられるように青い光を目指して地面を這い始めた。
少年の母親は、洗濯をしていて少年から目を離していたために、少年を止める者はいなかった。
________
少年が青い光のもとに到着した。青い光を放っていたのは、親指ほどの小さな石であった。少年はおもむろにその石を掴んだ。石はきれいに澄んでいて、少年の目のようであった。
少年はしばらく石に魅了されていた。すると突然、少年はその石を口に含んだ。そして、そのまま飲み込んでしまった。
突如、少年の体を衝撃が襲った。少年の体には、青い線が何本も浮き出ていた。少年の体内に魔力があふれた。
しかし、少年の魂はこの力に耐えられなかった。
この世界から、一つの幼い魂が消滅した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます