運動会 その漆 応援団発表

「次は応援団による応援です。応援団のみなさんは入場門に集まってください」


あー、ついに来てしまった、この時が。


続々と応援団があつまる。


一年生は四組まであって、二年生は三組、三年生も三組だ。


俺たちは目をあわせてからうなずきあって、入場門へと走って、体操着の上から応援ようの学ランを着た。


「如月さん、かわいいね!」

「枝豆さんも!」


如月さんと枝豆さんはすこしだぼっとしているが、その感じがかわいく、似合っている。


「ありがとう!神宮くんもかっこいいよ!」

「ありがとうう!い五十嵐くんも似合ってるよお」


にこっと天使のように微笑んでくれる如月さんと、なぜだか少し挙動不審になっている枝豆さん。


枝豆さんが面白くて、俺と翔と如月さんは笑ってしまった。


「もうそろそろ行くか!」


俺たちは改めて入場門に並んだ。


「それでは、応援団入場します」


応援団って感じがする、力強い音楽が流れ始めて、応援団は入場する。


マジ、緊張する。


「それでは応援を始めます!まず赤組、まいりましょう」


げ。俺たちからかよ。


旗を振るのは如月さんだ。俺たちが苦労してつくった旗。


そしてそれぞれの団長が前にでる。


よし!


「フレー!フレー!あーかーぐーみ!」

「フレ!フレ!赤組!フレ!フレ!赤組」


最初に団長がゆっくりと言って、そのあとに他の人も動き、旗も振る。


遠くで柚葉がニマニマしているのが見えた。


あー、後で絶対からかわれるわー。俺が下手とか言われるー。


「赤組ー、ファイト、オー!」


パチパチパチパチ。


赤組が上を向いて拳を天に突き上げると、拍手が起こった。


「ありがとうございました。次に、白組です」


白組も同じくらいのクオリティーだった。拍手は、赤組が勝ったな!ふはははは!


「ありがとうございました。それでは退場です」


俺たちは最初と同じ音楽で退場門をくぐった。


前にいる如月さんが、横目でちらちらとこちらを見ていたことに気が付かずに。

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