またね、キャンプ場

「みんな~、忘れ物ない?」


枝豆さんの問いかけに、それぞれ返事する。だが、全員ないってことは確かだった。


もちろん最初にテントを組み立ててくれた枝豆さんとこの人や、途中で加わった優奈ちゃんのところの人もいる。


「じゃあ、帰ろうっ!」


チェックアウトは枝豆さんのところの人にやってもらって、俺たちは車に乗った。


「楽しかったね~!」

「うん、すっごく楽しかった!」


俺たちが車の中で話していると、窓がコンコンとノックされた。


窓をノックしたのは優奈ちゃんだったので、俺はあわてて窓を開ける。


「あの……湖羽お姉さま、花音お姉さま、翔お兄さま、玲お兄さま。ありがとうございました!」


満面の笑顔でぱああっと言われると、俺たちは胸がほっこりして、つい笑顔になってしまった。


俺が窓から手を差し出すと、優奈ちゃんは握手してくれた。


「みなさま、お元気で!」


車が発車するとき、優奈ちゃんが手を振ってきた。


「またね!」

「ばいばーい!」

「シーユー!」

「優奈も元気でねー!」


俺たちも手を振り返す。


翔のシーユーって、いいな。またねって意味だから。グッバイとか言ったらどうしようかと思った。


優奈ちゃん、かわいかったなあ。優奈ちゃんが妹だったら毎日癒されるんだろうな。


柚葉も元気かな……


「またな、キャンプ場。シーユーアゲイン、優奈ちゃん」


俺は小さくつぶやいた。

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