朝ごはんもBBQ、らしきもの
朝、俺はテントの中で目覚めた。
「ふぁ~はぁ」
独特のあくび。俺は寝袋からでて靴を履き、テントを出る。
「おう、おはよ」
「おはよう。お前、ソロキャンパーかよ……」
火の前でハイチェアに座る翔を発見。朝から火起こしだなんて、もうソロキャンプできる大人じゃないか。中学生のくせに。
「そいえばさ、ナッシーさんと執事さんはどこ行ったんだ?」
「ん、キャンピングカー。防犯カメラつけてて、監視するって」
なにそれこわ。俺たち監視されてんの?
でもナッシーさんと執事さんがいないとこのキャンプ場にいられないんだよなあ。
「防犯カメラ、どこだ?」
「あそこ」
翔が指さした先には、明らかにカメラな防犯カメラがついていた。
こっちを向いてますね、あのカメラ。女子テントの上についてますけど?
音も拾える最新型カメラだな、あれ。あらら? ナッシーさん、執事さん?
乙女の話を盗み聞きしようとしてたのかなー?
「おはよう、神宮くん、五十嵐くん」
「おはよー……」
如月さんと枝豆さんが起きてきたので、俺と翔もあいさつを返した。
二人ともそれぞれ昨日の自分の椅子に座る。
「優奈ちゃんは?」
「優奈ならまだ寝て――」
「てれんっ! 優奈ちゃん爆誕っ!」
そう言ってテントから優奈ちゃんが勢いよくでてくる。
「優奈、朝からうるさい……」
「うう、湖羽お姉さま、すみません」
優奈ちゃんの大声に顔をしかめた枝豆さんに、優奈ちゃんがぺこぺこ謝る。
優奈ちゃんも昨日の椅子に座った。これで全員そろったな。
「翔、朝ごはんは?」
翔は待ってましたとでもいうように鼻を鳴らした。
「それは……アヒージョとチーズフォンデュですっ!」
チーズフォンデュは知ってるけど……アヒージョってなんだ?
明らかにきょとんとしている俺たちに、翔は「見てからのお楽しみ!」とだけ言った。
翔は最初に切られたバゲットとカマンベールチーズを焼き始めた。
フライパンらしきものにはシーフードミックスやアヒージョのもとをいれている。
そしてその後も焼いて……
「完成だ!」
「おおっ!」
カマンベールチーズはとろっとろに溶けている。アヒージョもおいしそうで、バゲットにもいい焼き色が。
「「「「「いただきます!」」」」」
それぞれ好きなものを手に取る。俺はバゲットだ!
「「「「「おいしい!」」」」」
被りすぎて笑ってしまう。
バゲットをチーズフォンデュにつけて食べると、たまらなくおいしかった。
とろとろほかほかのチーズと、サクサクのバゲット。
「バゲットはな、こうするとおいしいんだぜ!」
翔の教えどおり、全員がバゲットを手に取る。
そして、アヒージョにつけつけ。それを食べる。
うまっ!
アヒージョってこんなおいしいの⁉ マジうまい!
バクバクと、その後もいろいろ食べ進めた。
「「「「「ごちそうさまでした」」」」」
俺たちは一回水分補給をして、食器などを洗った。
朝ごはん、うまかった!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます