キャンプ場へGO!

ゴールデンウィーク、5月1日。


今日は枝豆さんに誘われたキャンプの当日。


俺は、翔、如月さん、枝豆さんと大きな車に乗って、キャンプ場に向かっているところだ。


「湖羽ちゃん! キャンプ場ってどんなところなんだ?」

「ん? ええっとね、森?」


話を聞いていた俺は首をかしげた。


森って! しかも疑問形!


「湖羽はリサーチしてないんだね~。自然よりで、芝生があって、川も流れてる自然豊かなとこだよ~」

「「へえ~‼」」


如月さんがニコニコしながら話すと、枝豆さんと翔が声を重ねる。


それは楽しそうだな。自然って、THE・キャンプ‼って感じだよな!


すると、安全運転でほぼ揺れなかった車が止まる。というか、運転手さんの運転がとまる。


「湖羽お嬢様、つきました」

「お、そう? 運転ご苦労! 荷物運んでー」

「かしこまりました」


運転手さんや、この車に乗っていた人たちが荷物を運びはじめる。


枝豆お嬢様、一言で大人を動かす!


枝豆さん以外は少し緊張した様子で車を降りて、キャンプ場の受付は大人がすませてくれ、キャンプ場に入場した。


後ろに大荷物をそれぞれ持っている大人たちが、中学生の後ろについてきているので、ここのキャンプ場の人たちは驚いていた。視線を感じる。


「テントどこにする?」

「そうだな! 俺―――」


翔がバビューンと走っていき、遠くでジャンプしながら手を振っている。


「ここがいい――!」


あきれたように女性陣二人が溜息をつく。


「五十嵐くん、はしゃぎすぎ」

「う~ん、せっかく翔くんがいってくれたんだし、行ってみよっか?」


ということで、俺たち三人(その他大勢)は翔のところに向かった。



◆◆◆



俺たちがゆっくり歩いて向かい、翔のところにたどりついた。


「どうだどうだ⁉ ここ、いいところだろ⁉」


翔がまだジャンプしながら息を荒くしているので、三人は周りを観察し始めた。


まわりに人はいない。小さな川は近い。芝生もふかふかで、あたたかな日差しがちょうどいいくらいささっている。


「「「いいね!」」」


俺と如月さんと枝豆さんの声が重なり、四人で笑った。


「じゃあみんな、ここで!」

「承知いたしました」

「じゃあ公園行こーっ!」


枝豆さんがみんなと呼ぶ大荷物を運んできた大人たちは、せっせと準備を始めた。


枝豆さんが先に行ってしまうのでしかたなく、大人たちに準備をまかせっきりにするのも悪いなと思いつつ、俺たち三人(翔、俺、如月さん)は枝豆さんについていった。

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