如月さんは振り向かない!〜が、俺にだけ振り向く件〜
雨夏
ゴールデンウィーク番外編!!
1.キャンプ
枝豆お嬢様からのお誘い
これは、ゴールデンウィークに入るころのお話です。
「おはよー、神宮くん!」
俺が教室に入ってすぐ、きがついた如月さんがあいさつをしてくれた。
「如月さん、おはよ。何かあったの?」
「え、なんでわかるの?」
「だって、わざわざ俺んとこ来たじゃん」
「あはは、そっか! 湖羽と翔くんも来て~」
如月さんの声掛けにより、俺、翔、如月さん、枝豆さんの応援団メンバーが集まる。
「どうしたんだ?」
「それは湖羽から! はい、湖羽!」
「うん! 明日からゴールデンウィークじゃん?」
「そだな」
「でね、豆んち、山持ってるんだけど」
山持ってるのか⁉ あれって一般の人が買えるもんなんだっけ?
相当なお金が必要だって聞いたことがあるような……?
枝豆さんって、もしかすると普通のビンボーな家のコではないんじゃ……?
「今度さ、その山売るらしくて」
しかも売っちゃうのか⁉
「それで、あの……一緒にキャンプ行かない⁉」
「「キャンプ?」」
俺と翔の声が重なる。
少し沈黙状態になると、興奮気味の如月さんが説明を始めた。
「そ、キャンプ! テントとかバーベキューとかするの!」
「うん、キャンプはわかるんだけど……なんでキャンプなの?」
「それは、豆がしたいからだよ! 一緒にお泊りしてバーベキューとか楽しそうでしょ⁉」
なにそれ⁉ キャンプしたかったらできるの⁉ 枝豆さんってホントにお嬢様なんですか⁉
「でも俺、キャンプ道具とかもってないよ?」
「それはパパたちが買ってくれるって。食材とかも」
「俺、お金ないんだった!」
「お金もパパたちが出してくれるよ!」
「安全面が心配だなー」
「大丈夫! 体調が悪くなったら豆の専属医がビューンだよ!」
「「おお………」」
俺と翔が心配な面を次々と上げていくと、枝豆さんは全部財力で解決してみせた。
ガチのお嬢様じゃん、枝豆さん。
「ってことで、キャンプ一緒に行かない⁉」
「じゃあ俺、親に聞いてみようかな」
「俺も行きたいし聞いてみる!」
「ホント⁉ じゃあ行くことになったらここに全部詳細がかいてあるから!」
枝豆さんが黄緑色の封筒を渡してきた。
その裏には『キャンプ招待状』とかいてある。
「じゃ、またね!」
枝豆さんと如月さんは席に戻って話を始めた。
「翔、行くか」
「そうだな、行くか」
忘れちゃいかんが、二人は学校一二の美少女なんだぞ⁉
そんな二人の誘いを断るわけない!
俺と翔はうなずきあった。
まわりの男子たちは妬ましそうな嫉妬に狂った目線を送ってきたのは、本当に嫌気がさす。
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