応援団長は……俺!?
「はい!次は応援団を決めます!」
山田先生がパチンと手を叩く。
「まず応援団長を決めたいと思います。推薦はありますか?」
推薦。ないだろうと思いながらも、俺は辺りを見回してみた。
だが、そんな俺の予想を裏切り、如月さんが手をあげていた。
………何だか、嫌な予感がする。
「はいはーいっ!」
「如月さん、どうぞ」
山田先生が如月さんを指名した。
「はい!私、神宮くんを推薦します!」
はい?如月さん、今、なんて……
クラスメイトのみんなもポカンとしている。
そして、枝豆さんが口を開いた。
「えっと、花音?聞き間違えたみたいだから、もう一回言ってくれる?」
「ええ、恥ずかしいな。えっと、私、神宮くん、神宮玲くんを推薦するって言ってるの!」
ザワザワザワッと、クラスでざわめきが起きる。
それと同時に、ズキズキっと痛むほどの恨みの目線。
うう、如月さん、嬉しいけど、今それを言う!?
「そう、他に推薦は?」
シーン。
特に推薦もないみたいだ。
と、言うことは?
「じゃあ赤組応援団長は、神宮くんね。白組はどうする?」
う、ううううううそーーっっっ!!
俺、応援団長ニナッテシマッタ。
今までこんな活動やったことないし!
やり方とかよくわからん!心細い……
「はい!じゃあ白組の応援団長は笹川くんね!」
あ、もう白組の応援団長、決まったみたいだ。
笹川くんは、
「じゃあ次は、応援団を決めます!立候補、募集!」
誰も手をあげないかと思いきや、如月さんと枝豆さんが示し合わせたように手を挙げた。
「オーケー。じゃあ、如月さん、枝豆さんね。後は?って、多くない?」
今度は、如月さんと枝豆さんが手を挙げたのをみて、たくさんのクラスメイトが手を挙げた。
翔も、俺たち三人が応援団に入っているのをみて手をあげた。
「じゃあ、如月さんと枝豆さん、指名お願いします」
「え!?あ、はい」
如月さんと枝豆さんが前に出る。
「じゃあ、い、五十嵐、くん……」
枝豆さんが、顔を赤くしてそっぽをむきながらボソリと告げる。
ピュアでかわいい枝豆さんに、ファンたちはキュンっとしながらも翔を睨みつける。
はあ、マジで枝豆さん、どうしたんだろ……それは如月さんもか……
「じゃあ、これで終わりね!」
山田先生の言葉に、如月さんと枝豆さんが戻ってきた。
「白組も、決めるよ!」
はあ、マジで、メンバーがこれで良かったような、よくなかったような……
如月さんと枝豆さんが応援団の前で俺が団長とか、地獄かよ。
「よし!じゃあこれでいくよ!明日の放課後から練習を行うから、教室に残ってね!赤組、白組、赤組、白組、と順番で行くから!じゃあ、これで授業終了!」
そうして俺が地獄の運動会を迎えそうだと絶望した後、この授業は終わったのだった。
そして、如月さんはニヤニヤしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます