応援団の練習(旗) その参
その次の次の日、また応援団の旗のために放課後、教室に集まった。
「みんな、塗ってきてくれたか?」
「塗ったよ!」「うん」「今度こそはやった!」
またそれぞれ違うが、返事をしてくれた。
「じゃあ、見せてくれ」
「はい!じゃあ俺からみせる!」
別にいいが、俺たちが可否を出す前に翔はコピーした紙を置いた。
「な、なんだこれ?」
「へっへん!芸術的だろ!」
翔が見せてきたのは、ピカソの絵かと思うくらいカチコチというか……個性的な絵?
確かに芸術的といえばそうだが……なんか運動会にこれって恥ずかしい。
「そうだね!芸術的、だねー」
枝豆サン、最後ノ方ガホボ棒読ミデゴザイマス。
「じゃあ私は、これ!」
如月さんが見せてきた紙には、色とりどりで可愛らしい部分、情熱的で燃えるように綺麗な部分と、とても上手な色塗りがされている。
「すごいね。これ、如月さんが?」
「そうだよ。すごいでしょ!」
えっへん、と如月さんが胸を張る。
「これ、いいかも」
翔も納得したような顔だ。
すると途端に枝豆さんがむすっと膨れる。
「豆のはこれ!」
ばさっと枝豆さんが雑に置いた紙には、黄緑色と緑と白い部分が多く塗られていた。
「えっと、これは?」
「豆のはね、枝豆風にしたの!どう?」
本気で自信ありげな枝豆さん。
ちょっとナシ、かなあ……なんて、いえない。
「うーんいいけど、如月さんの方がいいかな……?」
「えーっ、ひどーい」
枝豆さんが俺に向かってぷくーっと膨れた。
なんだかかわいいけど。
如月さんは、すごく機嫌が良さそうにニコニコしていた。
「じゃあみんな、如月さんのでいい?」
「いいよ!」「ありがと!」「しょうがないなあ」
と言うことで、如月さんの塗り方に決まった。
「じゃあ、明後日から始めるよ!」
「おー!」
ノリがいいのは、翔。
枝豆さんはそっぽをむいていた。
……ごめんなさい。
俺は気まずい空気から離れたくて、立ち去る。
その時、如月さんはニコニコしながらぼーっとしていた。
◆◆作者から◆◆
ご覧いただきありがとうございました。
・如月さんかわいい! ・如月さんがんばれ! ・枝豆さんがんばれ!
・枝豆さんかわいい! ・神宮がんばれ!
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