修学旅行で楽しかったランキングトップ3

「デデンッ!」


枝豆さんがよくあるフリップオープンの効果音を口にし、俺らはフリップを回転させみんなに見えるようにする。


「よ~しじゃあ神宮くんから~」

「え俺⁉」

「はいどぞ」


少々強引だが俺はしっかりと発表した。


「え~と、俺は三位がバイキング、二位が天橋立のごはん、一位が温泉です!」

「なんか食べ物ばっかりだね」


そうなんだよな。俺のもの、三位も二位も食べ物。


しかし男たるもの食は至福の時間なのだッ!(女子でも至福だとは思うけど)


「はいじゃあ次俺、三位がバイキング、二位が天橋立、一位は……リフトかな」

「王道だね!」

「次豆ね! 三位がリフト・モノレール、二位がバイキング、一位が清水寺!」

「清水寺か~」

「最後私! 私は三位がバイキング、二位が温泉、一位がじぬ……清水寺!」

「うんうん! なんか神宮くんと少し似てるけど一位は豆と同じだ!」


如月さん、一位のとき別の言葉をいいかけていたけど……何だったんだろうか?


枝豆さんもスルーしているので、俺は翔と顔を見合わせたあと首を傾げた。


「じゃあそれぞれ話していこ~」

「神宮くん、なんで一位温泉なの?」

「う~ん、超久々で気持ちよかったから! それにバイキングもごはんも超うまかったし」

「ふふ。五十嵐くんは?」

「俺はバイキングはうまいもんばっかだったし、天橋立はきれーで自然が気持ちいから……リフトは風を感じて気持ち良かったから」

「五十嵐くん、意外と自然好きなんだね」

「意外だな」


あのスポーツマンが自然好きなのは意外だったが、風が気持ちいのはわかる。


「女子たちは?」

「豆から! 豆はね、リフトとモノレールは単純に豆が乗りたかったからね! バイキングはずんだ料理が少しあったから。宮城とかだったらもっとあったのかなぁ? 清水寺はシンプルに清くて感動というかさっぱりしたというか」

「語彙力ないね湖羽」

「ひどいぞ花音‼」

「俺も思うっちゃ思うけどなぁ……」

「じゃあ俺も」

「うわーん五十嵐くんと神宮くんと花音がいじめるー豆泣いちゃ~う(棒)」

「思いっきり棒読みだけどな」


棒読みで被害を言う枝豆さんにたいし如月さんが冷静にツッコむ。


なんかさっきのビックリマーク×2の反応と今のテンション0の棒読みと反応が正反対すぎるんだがな。


語彙力ないのはホントだけどなッッ!


声に出したら枝豆さんが怖いので言わないけどな。


「はい次では如月選手いきましょうか」

「あっははー。私はバイキングも温泉もさいこーだったから! 清水寺は……乙女の秘密っ☆」


如月さんはウィンクし、はにかみながらピースする。


「きゃーきつーい」

「湖羽……?」

「ごめんなさい花音ちょっと仕返ししたいと思ってしまっただけです許してください」


女子たちがなんらかの茶番をしているが、正直俺は如月さんは学校一の美少女なだけあってキツくはないと思った。


というか胸、ズキュンとやられかけたんだが……


「とりあえずこれで終わったな?」

「うーん暇ー」

「じゃあゲームでもやるか?」

「ゲームって機械の?」

「そ。四人でできるだろ?」

「そうだね! やろやろ」

「よかったな俺ん家幸いにもそれあるぜ」

「じゃあ一階へ向かうどー」

「なんでゲーム機の場所知ってるの⁉」


俺たちは中学生になっているのに騒がしくどたどたと一階へ向かった。

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