修学旅行は終わりを告げる

「楽しかったね~」

「うん、そうだね」


ニコニコと笑顔の如月さん。


修学旅行も終わりを告げ、今は学校でバスから降りたところだ。


「はい! ではみなさん、解散しましょう」


先生がパンと手をたたき、みんなわーわーと解散する。


「そういえば如月さん、家帰るとき交通何使うの?」

「私? 私はねぇ、バスだけ」

「豆は車~!」

「枝豆さんっ⁉」

「やほ、玲」


急に割り込んできた枝豆さんに驚いていると、翔が手をあげてちかよってくる。


「ちなみに俺は電車だぜ! コイツも同じ」

「へぇ」


俺と翔は幼なじみなので、それだけ家が近いのだ。


翔と俺はお互いの家のことを大体知っていて、両親同士も仲が良い。


そうだ!、と如月さんが手をたたく。


「打ち上げパーティーみたいなのしようよ! この中の誰かの家で」

「いいねっ、それ!」


如月さんの提案にすぐに枝豆さんがのっかった。


俺も賛成だ。お菓子とかジュースとかおいしそうだし、話すのは楽しそうだし。


「俺も賛成」

「俺も!」

「じゃあ決まり! 今日やれる?」


みんながうなずいたのを確認してから、如月さんは次のことへとうつる。


「誰の家でしようか?」

「豆、お菓子とかジュースならたくさんあるんだけど……」

「飲食は湖羽ちゃんにもってきてもらう? 家までそうするのはさすがに悪いし」

「じゃあ俺か翔だな」

「なんで?」

「学校一の美少女の部屋に野郎がお邪魔するのはあってはならないことだからです」


俺はさらさらと説明した。


如月さんは少し照れたのか顔を赤らめる。


「やだなあ、学校一の美少女だなんて」

「それは本当であります如月様」

「もう。まぁ、そういうならそうだとして、どっちの家にする?」

「俺の部屋散らかってるから」

「あはは。じゃあ、神宮くんの家は?」

「いいけど……ねぇ?」

「なにがねぇ?だ」


だって家は親バカだし柚葉もいるし、とにかく落ち着かない。


「はいっ、じゃあ決まりー! 午後一時からにしよ~!」

「あ、ちょ」

「おっけー! じゃあまたね~」

「行くぞ玲」

「あぁぁ」


勝手に決められた俺は、翔に引っ張られて駅へと向かわされたのである。


俺の家でやるの、大丈夫なのかなぁ?

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