優奈ちゃん、キャンプがしたい

「あたし、湖羽お姉さまたちと一緒にキャンプします!」

「お、お嬢様⁉」


驚いて優奈ちゃんに近寄ったのは、いつのまにいた優奈ちゃんのボディーガードらしき人だった。ガタイとかよくてサングラスかけてて怖いんだけど。


「なんですか、ナッシー。別にいいでしょう?」

「で、ですが、お嬢様……」


ナッシーと呼ばれたボディーガードさん。こんな怖い人をナッシーと呼んで、さらに意見をいえる優奈ちゃんってすごい。


「何か問題点でも?」

「まず、キャンプってお泊りですよ? しかも、テントとかいう布の中です。百合ならともかく、野郎が二人もいるんです、お嬢様の身に危険がおきたら……わたくし……」


なにその危険って……俺たちみたいなヘタレがそんなえちぃことをするとでも考えるのか? ナッシーさんよー。


「そんなの大丈夫ですよ。それにそんなことを考えるナッシーがえちぃです」

「くっ。すみません、お嬢様……手配いたします……」

「よしよし。ナッシーはそれでいいんですよ。ということでお姉さま、お兄さま、どうです?」

「いや、別に、いいけど……」


主催者の枝豆さんが言うなら、俺たちは反対などすることはないだろう。


それより、あの優奈ちゃんの倍くらいの身長あるナッシーさんを手なづける優奈ちゃん。やばいって。


「じゃ、決まりですね! お姉さまとお兄さまはどこにテントを張っているんですか?」

「あっち、だけど」

「そうですか! じゃあ、行きましょう!」


俺たちはあっけにとられたまま、優奈ちゃんもキャンプに参加することになった。

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