運動会 その陸 お弁当2
「いただきます!」
「「「「いただきます!!」」」」
それぞれお弁当の蓋を開ける。
俺も開けた。
お……おいしそう。
俺のお弁当にはケバブが入っていた。
とてもおいしそう。なぜお弁当、しかも運動会にケバブ?と思い、くすくす笑ってしまう。
「神宮くん、どうしたの?にやけてると思ったら笑い出して」
如月さんが首を傾げた。
如月さんの言葉を聞いた枝豆さん、翔、柚葉がこっちを向いた。
「いや、なんでもない」
ごまかしたけど、はずっ。
「じゃあ、わけあいっこしよっか!」
わけあいっこ。友達って感じがして楽しそう。
改めて全員のお弁当をみた。
枝豆さんのは、ずんだ料理がいろいろと、おしゃれなサンドウィッチ。
翔のは、たくさんのおにぎり。のりが巻いてあって、具がなにか楽しみだ。
柚葉は、小さなメロンパンとクロワッサン、フレンチトーストがあった。ちょこんと小さくてかわいいし、おいしそう、なんだが。やはりお弁当にはいっていると違和感を感じる。
柚葉の顔を見上げると、柚葉も俺のお弁当を見ていたようで目が合い、苦笑いをしあう。
如月さんのは、とても大きなおかずだ。
唐揚げや卵焼き、ブロッコリーやミニトマトなど、お弁当の定番おかずがたくさん詰まっている。まるで最初から一緒に食べるつもりだったみたいに。
というか、だったら全員みんなで食べる用の量だな。これは運命だったのか?
「じゃあ、まずは湖羽のサンドウィッチもーらいっ♪」
「あ!豆のサンドウィッチ!じゃあ、花音の卵焼きもらいっ」
如月さんと枝豆さんが、お互い取り合う。
「じゃあ、翔、おにぎりもらうぞ」
「じゃあ俺はケバブもらう!」
翔からもらったおにぎりを一口かじる。
うん、美味い。
さて、具がみえてきたぞ。どれどれ。
………鮭だ。
オレンジ色のほくほく鮭と米、海苔があう。
とにかく、美味い!!
食リポ、マジで下手ですまん。
「神宮くん、ケバブもらうよ!」
「いいよ。唐揚げもらうね?」
俺は如月さんのお弁当から唐揚げをつまみとった。
食べると、あれ、冷めてない!
ほかほかで肉汁もちゃんとあって、すごくおいしい。
「如月さん、これおいしいね!」
「そ、そう?ありがとう!これね、自分でつくったんだ………」
自分で?
俺には不可能な技術すぎて、神様にみえてきそう。
それに料理、超上手なんだけど!
「すごいよ!超上手じゃん!」
「ええ!さっきの卵焼きもすごいおいしかった!」
「どれどれ?」
俺と枝豆さんがほめると、一人だけ食べてない翔も唐揚げをつまんだ。
「ほんとだ、うま!」
「みんな、ありがとう………」
如月さんはにこっと微笑み、また食べ始めた。
ちなみに枝豆さんは、ずっとずんだ料理ばかり食べているから、如月さんによってブロッコリーや唐揚げを食べさせられていた。
「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」
たくさん食べたから、俺たちのお弁当箱は空っぽだ。
「じゃあ、戻ろうか」
みんなで校庭に戻った。
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