修学旅行 地主神社編(如月視点)

「ほらっ湖羽!ここじゃない?」


ずっと走っていた私と湖羽は、息を切らしながらもとある場所にたどり着いた。


お金ならあるもんね。


ここは、地主神社。[恋占いの石]とか、有名じゃない?


ここは縁とか恋とかで有名な神社!私の気になる人……(言えないっ!)と上手くいきたいからお参りに来ちゃった☆………抜け出してきた。


本当はここから清水寺まで1㎞くらい?私も湖羽もかなえたい恋があるから、ここに来たくって。だから、清水寺だけのやつだけど地主神社に来ちゃった。走ってなんとか8分くらいでついた。清水寺は2時間くらいという長い時間鑑賞だから、まだ大丈夫なはず。バレなければ、だけど。


「湖羽、お清めするよ!」

「はあい……」


お清めの仕方ならわかる!


まず、ひしゃくで水をすくって、左手、右手と水をかける。


残った水を左手にうつして、口にふくむ。口に入れた水は溝に流して、左手をもう一回すすぐ。


ひしゃくを垂直に立てて、残った水を伝わせながらひしゃくを清める。


あとはもとあったところに戻してっと。これで完了!


湖羽は私のことをまねして完了したっぽい。


よし、じゃあ定番、[恋占いの石]へGO!


「これが、恋占いの石かあ……!写真で見るのとおんなじ!」

「ね、テンション上がるね!じゃあ花音からどうぞ!」

「私?おっけーやってみる!」


湖羽はなんとなくしかやりかたがわからないんだと思う。まず私がやらなきゃ。


まず、片方の石に立つ。で、目を閉じて。


(〇〇くんと両想いになれますように……)


もう一つの岩があっただろう方向に向かって歩き始める。


歩いて……足に石らしきなにかがあたった。しゃがんで石を探すと石にふれたので、目を開けてみた。


「あ、やった」


一発で成功!これが一発だったらはやく叶うといわれてるんだよね。私、もうすぐ叶うかもしれないってことだよ……!


「次豆~」


湖羽も同じようにやったけど、方向がそっちじゃない!


「湖羽、もっと左!」

「もっと右!」


アドバイスをしながらようやく湖羽は一発目でゴール。


「この場合、どうなるの?」

「ヒミツ!」


「え~教えてよ~」と湖羽はねだってくるけど、言~わない!


助けてもらってついたら、その願い事も人を頼って叶う的な感じだったのだから。


「さあ湖羽、バレても困るし、お守りだけ買って帰るよ!」

「はあい」


少し不機嫌そうにむすっとふくれてる湖羽だけど、バレたらめちゃ怒られるし?


私たちはお守り売り場へと走った。



◆◆◆



「なに買おっかな~?」


迷ってる湖羽。


でも私は来る前から決めてた。


まず、この星座守りのおとめ座。私はおとめ座で片思いだから、これを買う。


そして――――


勝守り。


「花音、決まったー?」

「あ、うん!」


私は勝守りを後ろに隠し、おとめ座の星座守りを見せた。


「花音おとめ座だもんね!じゃあ豆も星座守りにしよ~っ!」


そう言って湖羽は星座守りのおひつじ座をとった。


「これくださ~い!」


湖羽はお守りの買い物を済ませた。


「湖羽、あとでおいつくから先行っててくんない⁉」

「わかった!」


湖羽が走っていったのを確認してから、勝守りと星座守りを買った。


「ふ~っ」


走るのは、キツイけど……


私はまた全速力で駆け出した。







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