第155話 11月6日 日曜日6

「にしても楠君の部屋もいいね。胡乃葉ちゃんの所もいろいろ楽しかったけど。ここはここでくつろげるね」

「――九条さん。ホントくつろいでいますね」


 朝食後。特にどこかに行くとかそういうことはなかったらしく。俺の部屋九条さん。そして――。


「先輩。ゴミ袋ありますか?」

「あっ。あるある。ちょっと待ってくれ、出すわ」

「お願いします」


 胡乃葉が居ついていた。って、なんだこれ?いや、別にいいのだが――なんで休みの朝からこんなことになっているのか。 

 ちなみに胡乃葉と九条さんがそこそこ早い時間に乗り込んできたので、もし今からどこかに行くと言っても全く問題ないような時間でもあるが――動く気はなさそうだな。


「ってことで、楠君ロフト上がっていい?」

「なんでその話になるんですか?って、起きてそのままなのでやめてください」

「つまりいろいろそのままと。それはチェックと」

「九条さん」


 にしても九条さんが部屋を漁ろうと必死過ぎる。


 俺は起きてからすぐこの胡乃葉、九条さんの相手をしていたのでロフト。俺の寝床は――起きた時のまま。ぐちゃぐちゃのままだ。

 でもこういう時ロフトは良いというか。隠れているのでね。今みたいに下に居れば見られることはないので、片付けを後回しにできるし。って、このままだと乗り込まれるので片付けようと俺が思っていると。


「わぁお。先輩。本当に寝起きだったんですね。布団ぐちゃぐちゃじゃないですか」


 何故か上から胡乃葉の声が聞こえてきた。上ということは――ロフトからである。


「ちょっと待て!」


 九条さんとちょっと話していると、なぜかロフトへと上がっていっていた胡乃葉。いやいや普通に上がるな。恥ずかしいだろうが。


「あっ。胡乃葉ちゃんに先越された」


 ちなみに胡乃葉は、ついさっきまで片付けのためにゴミ袋――とか俺に言ってきいていたはずなのに、いつの間にかロフトに上がっていた。マジで勝手に動くなというか。ここ自由人しかいないのかよ。


 俺は呆れつつもロフトの方へと上がっていく。


「胡乃葉。勝手に行くなってか。ぐちゃぐちゃだから恥ずかしいからとっとと戻れ」

「私が片付けますよ?」


 上がっていくと、普通に布団をたたもうとしている胡乃葉がいた。いやいやそんなのしなくていいいから。


「やらんでいい」

「楠君違うよ。胡乃葉ちゃんは、私より先に自分の匂いを付けておこう作戦してるんだよ」

「「何を意味わからないこと言ってるんですか?」」


 すると、俺の後ろから九条さんも上がってきて、ロフトは渋滞――じゃなくて、九条さんの謎な発言に俺と胡乃葉は真面目に何言ってるの?という感じでハモりながら答えたのだった。って、胡乃葉。片付けなくていいから。

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