第87話 10月30日 夜 日曜日8

 急に胡乃葉が何かに納得?理解?わからないが。頷きながら話し出すと。少しして東山さんも理解――現状俺だけ2人が話していることがわからない。すると胡乃葉がまだわからないんですか?と言いたげな表情で俺に話しかけてきた。


「いや、先輩って、小倉先輩と繋がっている。ってことですよね?」

「——えっ?小倉?」


 小倉――って、旺駆里の事か。あれ?胡乃葉から旺駆里の名前がなんで出てくるんだ?知らないだろ?と思いつつ俺は返事をすると――その返事の途中2人が話していることがわかった。


「ああ、旺駆里――って、そうか。そういうことか。昨日本当は胡乃葉も誘われていたってことか。って、実はみんな繋がっていた。たまたま俺と胡乃葉がそれを知らなかっただけ――って、ちょっと待て。今確定したことでいうと、胡乃葉が行かなかったから俺が急遽旺駆里に召喚されたのか。つまり俺が昨日捕まったのは胡乃葉が原因ということ。ってことで、胡乃葉。来週ドーナツ奢れよ」


 ちょっとまだ完全には理解できていない俺だったが。なんとなく状況がわかって来たので、後半は何となく流れで言ってみただけだ。いや、俺の大事な時間が――ってことでね。にしてもなるほど、そういうことだったか。


「——あれ?って、なんでそうなるんですか。まあいいですけど。ちょっと先輩にご迷惑をおかけしていたみたいなので、来週来週っと、金曜日ですよね」


 俺が冗談でそんなことを言うと、胡乃葉は机の上のあったスマホをすぐに操作していた。チラッと動作を見ると――何かメモ?しているみたいだった。何を?もしかして、奢らされる。とか書いてる?って、胡乃葉そんなにマメなタイプだったか?いや、今の俺の発言はなんとなくで、冗談だったんだが。マジでメモしていたみたいだった。でもいいか。実際胡乃葉がボイコット――?ってことで俺が呼び出されたんだからな。


「——胡乃葉ちゃん。楠先輩との予定はさらっとメモしてる」

「なっ――そ、そんなことないよ。いつも――だから」


 俺が1人で考えていると、東山さんが胡乃葉に声をかけていた。ちなみに声をかけられた胡乃葉はすぐにスマホを閉じていた。すると、声をかけられ、ちょっと慌てた胡乃葉を見た東山さんはちょっと笑顔になり。


「ふーん。小倉先輩に誘われた時は笑顔で上手に『行けたら――』とか言ってる子がね。即メモするなんて」


 どうやら胡乃葉マメにメモするタイプではないらしい。バラされる胡乃葉だった。


「ちょ、姫子ちゃん」


 でもまあ旺駆里からの誘いはな。適当に――ってのが正しいだろう。あれは関わると厄介だし。下手すると、いろいろ巻き込まれる可能性もあるからな。旺駆里は常にだれか狙ってるだろうし。


「——まあ、旺駆里に誘われて喜んで付いていくのは――」


 俺がちょっと旺駆里のことを思いつつつぶやくと。2人にも聞こえていたらしく。反応してくれた。


「「いないかなー」」

「——ハモったよ」


 旺駆里。後輩からの評価低いぞ。頑張れ。あっ、もしかすると――同級生からかもだが。

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