第6話 10月17日 月曜日3

 俺の通う大学では毎回出席確認を紙。または学生カードで行う。カードは……あまり使わないか。基本紙だな。名前は知らないが。出席表とか。出欠表。感想用紙などと、いろいろな言われ方をしている紙の方が利用率は今のところ多いかな?講義後に感想を書いて提出しろ。という先生が多々いるからだ。電子化が進んでも紙が元気なこの大学だ。一部先生曰く。ちゃんと出席して聞いているか――と、たくさんいる学生の声をちゃんと聞いているとか。本当なのかはわからないが。

 ちなみに感想が不要な先生は学生カードを読み取るということをしているが。それは今のところ少数派かな。学生カードで出欠を取ると、カードを渡しておけば出席したことになる。または講義終了時に一緒に受けていた人をまとめて登録。ということをする学生も居るのでね。

 そのようなことを先生らも知っているらしいからな、だから紙が多い――って、紙でも普通に不正は出来るんだよな。知り合いに今の旺駆里のように渡しておけば、講義終了時に提出すれば、こちらも簡単に出席したことになる。文字が違う――というところまで見ている先生は居ないと思うが。いるかもしれないがな。でも基本代筆でも問題ないということがこの1年ちょいで証明されているため、代理出席多発中だ。

 あと、出欠表。紙はすべての講義で同じものが使われていて、学生番号を書き。感想を――なので、事前に準備も出来なくないという。感想は適当に書く人もいるみたいだし。まあ旺駆里に関しては、白紙の紙を毎回俺に滑らせてくるがね。良い度胸してるよ。

 ちなみに出席も成績にプラスされる。だから、みんな真面目に出席する……ってことはないな。今の話でも分かると思うが、旺駆里のように代理出席。周りでは代筆とか言う行為が多々現れている。先生の一部は警告をしている先生も居るには居るが。でもそれでも旺駆里のような学生は多々いる現状だ。みんな金払って。払ってもらってきているはずなのに。何でそんな適当なのか俺にはわからない。


「……毎度言うが。俺は便利屋じゃないからな?それに俺がちゃんと出している保証はないからな?」


 ちなみに今までには数えきれないくらい俺は旺駆里の出欠表を書いた気がする。何故こいつ2年になれたのだろうか……って、なんやかんや言いつつ。面倒事になってもなので、出欠表はちゃんと俺、出してやってるんだがな。でも、単位は出席だけではもちろんもらえない。試験があるのだが――それはこいつ上手く乗り越えているらしい。


「クルトンはそんなことをする奴じゃないからな。まあ忙しい俺は用事が常にあるからな。クルトン出席カードを今日も最後に混ぜて提出をしといてくれ」

「却下」


 このやりとりはいつもする。だが結果旺駆里が無理矢理置いて逃走――となるのだが。今日はちょっと違った。


「まあいつもクルトンに頼んでばかりだからなー、仕方ない。またぼっちクルトンを次の合コンに誘うからってことで。今度も可愛い子多数、レベル高めで設定するからこれで今までもチャラだろ?俺や優しい!」


 なんか旺駆里が言い出したのだった。


「もういいって」


 とりあえずなんか言い出したが俺の即答は変わらないんだがな。ホント合コンなんて全く興味ないし。行きたいとも思わない。すると旺駆里が呆れた表情で頭を抱えだした。


「おい、クルトンみたいや奴がいるから少子化が進むんだぞ?わかってるか?もっとしっかりとしろ!俺を見習え」

「……急に意味わからんのだが?なぜ急に俺は怒られるんだよ」

「出会い作らねば子供ができんだろが。会ったらヤる!これ大切!」

「……」


 朝からこいつは何を言っているのか?と思うかもしれないが。これで通常運転と思われる。よくよくこんなことを言われる俺だった。

 ちなみにこの旺駆里。俺はこいつに興味がないから、あまりはっきりとは知らないが。基本優しい女の子大好き人間。手当たり次第になんとやら。泣かせた人な何十人――となんか風の噂を聞いた気がする。本当の事かは知らない。でも……そこそこ噂は聞こえてくる気がするので――可能性は高いか。優しいくらいで終わっておけばいいのに、その後がね。

 ホントなんでそんな奴と俺に接点が生まれているんだろうな。不思議だよ。

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