第5話 10月17日 月曜日2
俺がたっぷり時間を使ってから返事をする。すると――。
「ここだけ時差あるのかよ!いつもながら反応鈍いな。って、クルトンはナマケモノかよ。っか、ついにクルトンには全く触れなくなったか。面白くないクルトンだな。前はもっと可愛さがあったぞ?クルトンに付いて語るとかさ」
バンバンと俺の肩を叩いてくる旺駆里。やめろ。まだやる気が出てないのにさらにやる気が無くなる。
「——可愛さなんていらないだろ。ってか、週初めからウザい」
先ほど大学内と触れたと俺は思うが。旺駆里と話ながらもう少し詳細を話すと、今の俺は、やる気はないもの、ちゃんと講義室の隅っこで講義を受ける準備をしている。ノートも筆記用具もテキストも机の上に出している。
そしてそんな俺の横。通路のところにウザい偽爽やかイケメンが立っている。
……えっ?評価がどんどん悪くなっている?気にするな。そのうちわかる。まだ俺は可愛く言っている方だ。
ちなみに、旺駆里に関して仕方なく話しておくと。まず何故俺が旺駆里と接点があるんだ?と思われるだろう。俺と旺駆里は真逆のような生活をしている。俺は大学へと真面目に来ている。旺駆里は基本単位ギリギリでいい。出席なんて誰かにさせておいて、自分は遊ぶ。大学で遊ばないとか人生損している。というタイプだ。というか、実際に旺駆里がそんなことを言っていた気がする。
だから普通なら俺と旺駆里に接点は無いはずだった。でも――大学1年の時に、たまたま同じ必須科目の講義で同じグループ。班に居たため、少しずつ話すようになった。話さないといけないことも多々講義中にあって、仕方なく知り合っただな。
ちなみにその講義は通年講義で1年間毎週1回は旺駆里と接する必要があった。一応他にもグループの男女は居たんだがな。旺駆里が居ると、旺駆里が中心で話し出すからなかなか他の人とは接することがなかった。他の人とは必要最低限みたいな感じだったんだよな。ちなみに中心で話す旺駆里の方は、どんどん周りにも話しかけていたから。他の人とも仲良くなっていた感じだがな。
そして旺駆里は何故2年になった今も俺なんかという通常なら自分と接点がないような奴にこうして絡んできているか。
理由は簡単だ。良い便利屋を見つけたというところだろう。
そうそうだから旺駆里とは知人だ。友人ではない。大学外ではほとんど今のところ会わないし。大学でも今みたいに向こうから話しかけてくることばかりだからな。俺から話しかけるとかはないな。基本ないだろう。
そりゃたまには、伝えないといけないことが講義であると会った時に伝えるが――それくらいだ。ちなみに今は話すことは俺側にはない。でも旺駆里が絡んできているということは……そうそう来た時も言っていたが。俺を朝から探していた。つまりは――代理出席を頼むために来たのだろう。
「にしてもクルトンは今日も1人寂しく過ごしてるな。泣けてくるぜー」
「……」
こいつも余計なことが多いんだよな。ってか、旺駆里の場合は即声に出すからな。正しい事を言っているのがね。実際俺の周りには誰も居ない。誰か来ることもないだろう。俺は基本講義は1人で受けている。
——悪かったな。友達少なくて。でも、俺の今の楽しみはここじゃないし。大学はこれくらいで良いんだよ。
(はいはい。いつもの事——)
俺はそんな返事でもして旺駆里を流そうとしたが――。
「ってことで、早速出席を頼むクルトン」
「……」
……脳内くらいちゃんと言わせろ!「はいはい。いつもの事ですよ」よし言った。などと、俺が思っていると。すっと、横から俺の前に出欠表を滑らせてくる旺駆里だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます