第40話 9月23日 金曜日3
ドーナツ屋でのココとの会話は続いている。
「えっと――先輩。でも1人だと寂しくないですか?旅行とかだとご飯とかも1人じゃないですか」
「うーん。まあ中学の時とかは電車とか乗って――くらいだったし。あっ駅弁探すのは楽しかったな」
「楽しんでますね。既に上級者でしたか」
感心している?あきれている?どの表情なのかはわからなかったが。ココがなんか先輩のことわかってきました。というような表情でつぶやいた。
「それにこの前言った時は、年末前だったこともあって、1人で神社巡りして、後は温泉浸かっていたってだけだしな」
ちなみに温泉はたまたまだ。安いホテルでいいかー。と思っていたら、たまたま予約したホテル。ビジネスホテルだったと思うが。そこに大浴場。温泉があってね。偶然満喫したということだ。
「先輩――1人でもいろいろ満喫してますね」
「まあ、前も言ったが。友人少なめの人間だからな」
ちなみにココには数えれるくらいしかいないということは言っていない。これは――言わなくていい事だろう。言っても――変な空気になる気がするし。ココと話していると、ココの方はかなりの知人。友人――居るよな。居るわ。絶対居るよ。それにココ。可愛いから――人が寄ってきそうだし。俺の友人数というか。少ないをちゃんと発表すると。かなり驚かれそうだからな。言わないでおこう。
「私からすると――1人では……ですが」
「確かにはじめの頃は――ってか、初めて1人でってのは緊張というか。変な感じはあったが――でも慣れたらだぞ?1人で非日常ってか。普段は無いことを――だからな」
「それは――確かに。普段経験できないことを経験できるの楽しい事と思いますが。やっぱり私には1人で――の勇気はないですかね。そりゃ先輩の言うように経験すれば――なのですが」
考えながらココが唸る。って、そういえば、俺は男。ココは女。そしてココ可愛い。下手に1人で動いていると――かもしれないか。ちなみに、俺は変なのに声かけられるっていうのはないな。
「っか、ココなら友達と行けばいいんじゃないか?それこそ冬には冬休みあるだろ?」
「あっ。はい。そういえば――ですね。夏も誘ってもらったんですが――実家の方で用事が――だったので。冬もし声かけてもらったら――ですかね」
「ココが誘っても友達来てくれるだろ」
「そ、そうですかね?あまり私が提案。発起人になることないんですよね――みんな来てくれるかな?って」
「行くだろ」
「——先輩も?」
「えっ?」
「い、いえ。何でも――って、にしても。先輩は1人での事を話している時も。とっても楽しそうですから。本当に1人でも楽しかったんですね」
「楽しかったぞ?」
これは本当。1人ぶらぶらなかなかいい。そりゃ仲のいい。何でも話せるような奴となら一緒に行っても楽しいだろうが。今のココと一緒――というのかはだが。こうやって時間があっという間ならどこ行っても楽しそうだしな。
「ふふっ。ホント先輩笑顔ですね」
そんな笑顔か?と俺は思いつつ。今までの俺の行動を思い出していたが。俺――地味に1人で活動というか、いろいろちゃんとできる子だからな。そりゃ1人暮らししても問題ないわな。ってか、もしかして、親の放置プレイがちゃんと効果を発揮しているという事なのだろうか?放置プレイは正しい教育なのか?
確かに昔から1人でも――という環境だったから。ホントそうだからな。小学校の高学年くらいには、普通にちょっと遊びに1人旅行的なのしていたしな。って、いろいろ思いつつも今日もいろいろとココと語ったのだった。
ココと話していると、やっぱり時間はあっという間だった。
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