第57話 10月28日 金曜日2
「なんか硬いですね」
俺が気が付くくらいなので胡乃葉も気が付いたらしくすぐに指摘してきた。って、頭の中では胡乃葉なんだがね。何で口に出すとコノハになってしまったのか?そんなことを思いつつ再度気のせいだようという感じで返事をすると――。
「キノセイジャナイデショウカ」
……あれ?俺どうした?なんか緊張している?何で?いや、ちょっと寒くなって来たからかな?早く癒しを――って身体が言っている?って、目の前の米野さんがじーっと見てきている。明らか過ぎたよな……うん。俺も言っていて自分おかしいと思ったもん。
「何で片言になるんですかー」
いや、自分でもびっくりした。何故か名前で呼ぶのってハードルが高かった。というか、今までそんなことがなかったからか?いや、もしかして今隣を歩いているお方が普通にかわ――って、変なことで間を空けるとなので返事を先にしよう。
「——コノハ――胡乃葉だな。わかったわかった。大丈夫。胡乃葉な」
「なんか適当に言われたような――。でも、初めよりは固くなくなりましたね。はい。それで行きましょう。先輩」
結果としてドーナツ屋に到着するまでの短時間で俺が折れることになりこの話は終わった。って――米野さんは先輩のままなのね。いや、そこ何か言う事ではないのかもしれないが――触れない方が正解か。別に先輩と言われるの嫌な感じはしないし。
よし、変な感じでお店に入ってもなので、切り替えて。と思いつつ俺はドーナツ屋のドアを開けた。そして胡乃葉のためにドアを開けていると、『ありがとうございます』と胡乃葉がいい笑顔――などと思っていると。店内から。
「いらっしゃ。今日はセットでご来店ですね」
お姉様の楽しそうな声が早速聞こえてきた。せっかく切り替えたのに――。
ちなみにお店の中は。ちょうど他のお客さんがいなかったこともあってか。変な感じで俺達は呼ばれたのだった。セットってなんだよセットって。
そんなことを俺が言おうとしたが――俺たちがお店に入ってすぐだった。
ガチャ。と。またお店のドアが開いて、俺達の後ろから女性2人の新たなお客さんが来たため。変な絡みははじめだけだった。お姉様は接客モードで『いらっしゃいませー』と、すぐに切り替えていた。って、俺達の時も接客モードで良いのですがね。
そんなことを思いつつも後ろが詰まってしまうので、俺は、パパっと注文を済ませた。
「私も同じもので――飲み物は紅茶でお願いします」
俺の後ろに並んでいた胡乃葉も飲み物以外は俺と同じだった。
商品を受け取り俺達はいつもの席へ。それから少しして飲み物が運ばれて来て、ちょっと小言で何か言われたが――気にせず。俺達はいつも通り雑談を始めた。ちなみに何を小言で言われたかって?聞くな。だが――ホントどうでもいい事だよ。『取り調べ後日とかでいい?』だったからな。お姉様が何をしたいのかわからん。
とまあとりあえず。お姉様は接客に戻ったので、俺達いつも通り話でも。雑談でもするかと思っていると。胡乃葉が話しかけてきた。
「先輩、先輩」
「なんだ?」
「自己紹介の続きしましょうか」
飲み物を一口飲んでから胡乃葉がそんなことを言ってきた。
「そういえば先週終わらなかったな。というか。進まなかったのか。妨害で」
「です。ってことで――今日は大学の話でもしましょうか?」
「了解」
「じゃあ、先輩から」
「また俺から?まあいいが。俺は隣町ってか。
胡乃葉に話しながら久しぶりに大学名言ったな――と思う俺だった。あれ?言ったよな?結構前に言った気がする。再度説明は――不要だよな?あれ?言ってない?大学名言ってない?言ったよな?などと俺がちょっと頭の中を整理しながらさらに話そうと思っていると。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「えっ?」
自己紹介の続きを再会したら。胡乃葉が目が飛び出すのでは?というくらい驚いた表情をしてこちらを見つつ俺の話を止めてきたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます