第83話 10月30日 夜 日曜日4
「いや、まさかだな。2人が知り合いだったとか」
俺は前に座っている2人を見つつつぶやく。
「まさか先輩が
「それを言ったら、まさか胡乃葉ちゃんが楠先輩誘って来る方が――いや――それは予想できたかな?」
「——うん?」
「あっ。何でもない何でもない」
現在は俺達3人喫茶店に入り話しているところだ。
ハロウィンのイベントを見て――ではなく。あのまますぐに喫茶店へとなった。とりあえず今の状況整理が必要そうだったのでね。歩きながら話すより。落ち着いたところで話す方がいいだろうということで、近鉄側の駅へと歩いて行き。近くの喫茶店へと入って話しているところだ。
にしても、会わせてやろうと思っていた2人が既に仲良しだったとは。さらに少し話をしていると判明したことは、胡乃葉は胡乃葉で俺を紹介。東山さんは東山さんで俺を胡乃葉に紹介しようとしていたとか。何をしているのか俺達は。友人の輪を広げようとかいうことではないが。たった3人で同じようなことをしているとはだよ。本来なら新しい繋がり――とかになるのかもしれないが。これはあれだ。単にそれぞれが、相手の事を知らなかった。相手の交友関係を知らなかったことによるミスみたいなものだな。
「ってかさ」
「なんですか?先輩」
「どうしました?楠先輩」
「いやさ。東山さんは大学ではよく胡乃葉と一緒に居て、食事とかもよく誘っていたと」
少し前に2人から聞いた話を思い出しつつ俺は話す。いや、既にそこそこ話していると言ってもいいんだがね。ちょっと確認だ。
「です。今話した通りですね。でも胡乃葉ちゃん忙しい――で、よくドタキャンするんですよね」
「ど、ドタキャン……して」
「「る」」
「なっ」
俺と東山さん意見一致。いや、胡乃葉は、何となく誘われても――って感じだからな。俺の時はなんかグイグイ来てらっしゃったが。今日とかね。他はなんか聞いていると――なんだよな。
「まあ胡乃葉のドタキャン癖は知っているからね」
「ちょ、先輩。先輩との約束はドタキャンしてないですよ」
ちょっとだけ過去を思い出しながら頷いていると、胡乃葉からクレームが飛んで来た。
「そもそもさ、胡乃葉。約束らしい約束って――今日が初めてじゃなかったか?」
「……確かに」
今日でもほぼ一方的。胡乃葉が指定してくれた時間――とか言う感じでそこまで話し合った感はないが。
「ねえねえ」
「うん?何?姫子ちゃん」
「胡乃葉と、楠先輩って――結局付き合ってるの?」
「——」
「——」
唐突にそんな質問が飛んできたのだった。いやいや、東山さんよ。何がどうしたらそんな質問が出てくるのかな?さっきまでは普通の雑談だったじゃん。何でそことそこに繋がりが?って感じで。何故にその一番ないだろうって話に突然なるのか。
さすがに俺と胡乃葉も唐突なことで目が点だよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます