第28話
今は書く気が湧かないから、なんとか書いていきたいなぁ。と思うチャールスJです。なので、この作品も楽しんで書いてた時期のお話なので、修正が終わってないのに載せたらしています。お付き合いありがとうございます。
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異世界生活13日目
朝早くからゴワイルの所に行き、皮の加工状況を聞くと、昨日の夜に出来ていたらしい。さっそく受け取って家に帰った。
正直、面倒になってきた。森の中に戻りたくなってきたと思っている。さっさと終わらせたら釣りに行こう。
家に帰宅すると、直ぐに作業を始めて完成した。ナノ君万能だな。
腰にベルトを着けて、そこから皮が垂れて膝で義足を固定するタイプ。腕も似たような物だ。
腕の手のひらの形にフィットするように合わせた取っ手付きのコップや、お皿なども数点を作ったり、腕の手首を外すギミックを作って、取り外して、付属のナイフやフォークを取り付けられるようにも作ってみた。
「酔っ払いども。良い加減起きろ。朝飯を作るぞ。」
行商人達をそんな雑な起こし方をして、子供達をちゃんと起こしてから、朝から茹で卵をみんなで剥く。肉とか野菜ばっかり食べて、卵を昨日食べなかったので、今日は卵サンドです。
子供達2人には大切な仕事を任せる。手にビニールをつけて、卵をグチャグチャにして貰った。
メリッサとバルが『売ったら銀貨2枚はするのに。』とか言っていた。それ以上に美味い卵に決まってるだろ!地球で買った2個で400円の卵だぞ。キャンプの為に奮発した卵である。あれ?こっちの世界の方が高いのか?
マヨネーズをたっぷり入れて貰い、大人達にはマスタード入り。子供達にはマスタード無し。俺の場合は両方を時間を開けて食べる事にする。
ついでに、卵の殻は畑に撒く用として取っておく。これは子供達の仕事にしよう。
『卵の甘さを引き立てる、美味しい朝食ですね』
《辛い。甘い。辛い。辛い。》
みんな喜んでもらえて何より。メリッサがプルプル震えながら昨日の売り上げを渡してくる。もう遺族の人達と分けたから、金額は少なくなってしまった。昨日渡すつもりが、お酒を飲んで忘れてしまっていた。と震えてる。
「別に盗んだわけじゃないし、酒を渡したのは俺なんだから、気にしてないぞ?」
「怒らないんですか?」
「怒るの大変だから怒りたくないし。そこまで怒られるような事してないから平気だよ。
さて。今日はお前達にお仕事を与える。こんなの別の村に持って行ったら売れるかな?」
ナノ君が余った木材を使ってストレス発散に作ったブッシュボアの精巧な置物。そしてメモ帳を渡す。
「こんな感じで作れるんだけど、売れそうかな?あと、どんなデザインとか大きさが売れるか、みんなで考えておいてくれる?はい。これ食べたりしながら考えてみて。ミリィちゃんに聞けば食べ方わかるから。それじゃ。それと、家の雑用とか話し合って分担でやっておいて下さい。」
早速、リッケルドの家に荷物を持って出掛けた。
来る時間とか言っていなかったけど、家族全員で待っていたらしい。リッケルドの手足の装着の仕方を説明して、皆が付けられるように練習した。
そしてリッケルドは椅子から松葉杖をつきながら、一人で立ち上がり、リッケルドは室内を歩いた。ゆっくりとした歩調だ。
泣きながら歩いていた。家族も笑いながら泣いていた。俺は黙って家を出た。
(木製にしては良い性能でしたね。)
(そうだね。金属じゃない分、脆いかもしれないけど、重さが少ないのが良いよね。)
その足でゴワイルの家に向かう。ゴワイルはこれから狩りに行こうとしていたようだ。クリミアちゃんも居る。
「どうした?皮が足らなかったか?」
「いや。完成して今渡してきた。使い始めて、1人で歩いてたから、置いて帰ってきた。」
「そうか。」
俺は追加の木材を依頼して、家に戻る。そしてみんなの前で『良い仕事をした!今日は仕事は休みだ!』と宣言。さっき頼んだ仕事?知らん。
行商人達も連れて、宿で昼ご飯を食べに行ったり、子供達と遊んで過ごした。渡したサンプルは高く売れるとの話しなので、ナノ君には遊ぶ感覚で、置き場所に困らない程度に作ってくれる?と頼んでおいた。
置物のデザインは、例の少女の居た場所に映る鏡の中の生物で頼んでおいた。
異世界生活14日目
今日の朝ごはんは何にしよう。
「レオン君。どんなのが食べたい?」
「あまいの。」
(同感です。レオン君とは趣味嗜好が似ているようです。)
6歳児と似てる嗜好か。可愛いなと思いつつ、朝から砂糖多めのフレンチトーストとサラダ。変わり種として、まだ食べてなかった肉まん。ピザまんを出して、みんなで外で食事を済ませる。
最近は行商人達も変わった食材に慣れてきているようだ。その後は、ナノ君がサクッと加工した木材を持って村長の家に行く。細かいのが多いから、重さは平気なんだけど、どうしても手が足りない。ナノ君に運ばせるわけにもいかないし。
《手伝い。残念。》
(いつもやってくれてるからね。ありがとね。)
そんな会話をしつつ歩いていると、グレッグから話しかけられる。
「アニキ。前から気になっていたんですが、アニキは何を作っていたんですか?」
「私達も気になります。見てもわからなくて。」
「ぼくもしらない。」
「そうか。みんなに話したつもりで話してなかったか。今は村長さんの家で仕事をしているんだ。さぁレオン君。レオン君は歩くときに足を使うよね?」
「うん。」
「その足が無くなっちゃった時に、歩く為の道具を作って、村長にあげたんだ。」
「すごいねー。きだけど、いいの?」
「いいんだよ。木にも良い所はあるからね。」
「そうなんだ!きってすごい!」
ミリィちゃんも聞いてくる。
「足や手は見かけましたが、他のこれは?」
歩いてる途中で色々と説明していく。そんな時にグレッグから言われる。
「アニキ。凄い特許ですね!儲かってそうですね。」
「特許?取ってないけど、そんなのあるの?」
「え!?ユーイチさん特許を取ってないんですか?凄い発明ですよ!これは!」
そうか。この世界にも特許があるのか。
「その特許と言うのは、どこで取れるんだ?」
「大きい街の商業ギルドと、ユリウス教会の2つに行く必要があります。」
2つに行くのか。面倒だな。でも楽に金が手に入るのは素晴らしい。
「特許に必要な物は何があるんだ?」
「えーっと、なんでしたっけ。バル。らなんだっけ?」
「確か実物を商人ギルドに見せて、それからユリウス教会の認定を神様の前で行うと聞きました。」
まぁ町にも行った事無いし、行ってみるか。
「それじゃ、この仕事が終わって落ち着いたら、町に行ってみるか。ミリィちゃんとレオン君は行ってみたい?」
レオン君は飛び跳ねながら笑顔で答える。
「ぼくもいく!」
「町に行ったことがないので、お邪魔でなければ。」
「邪魔なんてあるわけない。行きたくないって言ったら、特許なんて行かないって言う所だったし。」
そんな話しをしつつ、村長の家に着いて声をかける。するとメルビアさんが出て来た。
「ユーイチさん!本当にありがとうございます!!」
熱い挨拶だ。抱き付かれた。
「おはようございます。そんなに興奮すると、疲れてしまいますよ。またお邪魔しても良いですか?」
「はい!皆さんもようこそお越しくださいました。」
中へと案内されると、椅子に座っているリッケルドさんが居る。
「ユーイチさん!」
慌てて松葉杖を使って立とうとしているので、止まる。
「大丈夫ですよ。慌てなくて。まだ慣れてないんですから。足の違和感や使い心地はどうですか?何かありますか?」
詳しく聞いていくと、まだ慣れていないが、歩ける事が嬉しく、久しぶりに外に出たらしい。
「アニキが作った足なんですよね?ホントに。」
使って歩いている姿に驚くみんな。そうか、行商人だったから、足のない姿も見かけていたのか。
「おじちゃんはすごいの?」
レオン君はリッケルドさんに聞く。子供達の姿を見てらハッとする。そして地面に崩れ落ちるように倒れて、謝る。
「君がレオン君で、そちらがミリィさんかな。私の息子のせいで君達のお兄さんを死なせてしまった。本当に申し訳ない。本当に済まなかった。」
ミリィちゃんは慌てる。
「謝らないでください。ウォル兄さんは私達を守る為に戦ってくれたんです。」
レオン君はわかっていないようだ。
「おじちゃん?いたくない?」
ウォル君の話しをリッケルドさんに伝えるミリィちゃん。オーク退治に行く日に、「お前達を守る為に行ってくる。」と言ってウォル君は出かけて行ったそうだ。
「ミリィちゃん。リッケルドさんにお兄さんの話しをしていてもらっていいかな?おじさんは仕事をしてくるね。」
そう言って木材を持ってトイレに手すりを設置する。イメージはトイレの中にもう一つの家の骨組みを作る感じだ。釘を使わない宮大工方式で作ってみた。洋式便座の木製バージョンも設置。中のスライム君の入ってる壺の高さを調節して完成だ。杖を置く場所も作ったり、中々の力作だ。
「アニキ。座ってみても良いですか?」
「ああ。片足に力を入れないで捕まって立つ感じでやってみな。」
グレッグはトイレに座りながら手すりに捕まって立ってみる。
「すげぇ!確かに立てる。」
うん。大丈夫そうだな。そんな感じで、ベットを改造したり、テーブルの椅子に改造をしたりして予定の工事を終える。ナノ君が居なかったらいつ終わったか判らない作業だな。宮大工の釘を使わないやり方とか知識として知ってはいるけど、作った事ないからな。
《作る。楽しい。》
(そうだね。3人で力を合わせて作るのは、やっぱり楽しいよね。)
そんな事を3人と話しつつ、グレッグ、バル、メリッサは『これも特許よね?』『やっぱりアニキは凄いッス!』『確かに。凄い技術だな』と言っている。
日本の技術は世界1なのだ!!と思ったユーイチである。
「さて、俺はリッケルドさんに話しがあるから、みんなは家に帰っていてくれるかい?お昼は適当に作って食べていて下さい。家事をしたり、読み方や算数の勉強、畑仕事もお願いします。」
子供達の所へ戻ると、リッケルドさんは椅子に座っており、奥さんと子供達と4人で話しをしていた。
「ミリィちゃん。話しはどんな感じ?」
「ウォルお兄ちゃんがカッコいい事は話しました。あと、ユーイチさんのお世話になっている事も。ご飯はちゃんと食べている事もです。」
「うん。ごはんおいしいよね。」
「そうか。毎日美味しく食べてくれているから、おじさんも嬉しいんだよ。」
2人の頭を撫でる。そして2人には家に帰って勉強や家事をお願いする。お昼ご飯は先に食べていてくれ。と伝えて。
部屋にはユーイチ、リッケルドさん、メルビアさんの3人になる。
「さて。あとは貴方の腕の話ですね。」
作ったアタッチメント付きのフォークやナイフ、手のひらの形にフィットするコップや押さえやすいお皿など数点を出す。
使い方。取り外し方。掃除の仕方を説明して、ベットやトイレに連れて行き、使い方のレクチャーをする。
「これで貴方は1人でも起き上がったり、寝返りをしたり、トイレに行く事が出来ます。渡す物はこれが殆どですね。まだ作ろうと思っている物もありますが、それは現在、必要のない物ですね。」
「本当に貴方には何とお礼を言えば良いのか。」
「本当にありがとうございます。」
「まだまだ貴方達には、楽に生きる為に覚えて貰う事が沢山ありますからね。」
お茶を飲みながら話しを続ける3人であった。
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次回で介護話しは終わります。その次からは町に行くかな?そろそろ行って欲しい!
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