第32話

前回はよくもやってくれやがったな。ユーイチ。

なんで子供を3人も拾った。困るぞ。チャールスJは後の事知らないからな。と脳内でユーイチと作者は揉めていました(笑)

今回から第1章としての最終話が予定通りの楽しみにしていた話しになります。楽しんで頂けたら幸いです。


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(俺は確かに教会に入ったよね?)


(確かに教会内部に入りました。)


 なんで中に入ったら、熱い日差し。青い空。白い砂浜。お洒落なテントが張られているんだ?しかも、テントの下にはハンモックが揺られており、そこに居るのは青いパレオの水着姿でいる金髪のゴージャス美人がおり、トロピカルなジュースを飲んでいる。


 その女性は耳が長いからエルフなのかな?スラっとした白い脚。そしてデカい。何かは言わないが彼女は揺れる方だ。ジルとは大違いだ。そして助かった事に、例の少女ではない。


(明らかに先程の場所から離れています。特定は現在行っていますが、大部分のナノ君からの反応はありません。)


 《話し。出来る。》


(了解。身体がバラバラにならなかっただけ良かったよ。ナノ君が入らないから、俺も入れないかな?とドキドキしたからね。とりあえず情報収集をしようか。)


 マモリちゃん達に伝えた後に、ユーイチは金髪美女に話しかける。、


「あの。すみません。お尋ねしたい事があるのですが。」


 すると、金髪美女が答える。


「なんだ。やっと来たのか。お前が先ほど申していたユーイチだな。私が契約と裁定の神 メリスリリアだ。私は現在も契約で忙しくてな。身体をリフレッシュさせながら、仕事をしているだけだ。気にするな。

 人間。用件を言え。私は忙しい。この場の発言は羊皮紙と同じ効果を持つ。嘘を言えば首が飛ぶと思え。」


 よくよく見ると、透明なグラスに入った緑色の液体の上にアイスが乗っている。ってかメロンソーダ?このテントの作りといい、地球のファッションがかなり好きだな。この神ひと。


「では、羊皮紙の重大な違反行為について報告します。現在、商業ギルドで確認が取れた行為ですが、羊皮紙に特殊なインクを用いて、燃え上がる瞬間に炎の影響なのか、文字が浮かび上がり、契約内容を改竄する行為が確認されました。

 これが用意されていた現物になります。」


 先ほど回収した羊皮紙を差し出す。すると、羊皮紙を一瞥し、燃え上がらせる。


「報告。大儀である。神を愚弄する者達よ。神の裁きを思い知るがいい。」


「メリスリリア様。この事を報告するのに協力した私の家族も下にいますので、寛大な裁きでお願い致します。」


「では、罪人達のみ裁きを与える事としよう。」


 やべぇ!この神、まとめて処分しようとしやがった。


「では、続けて説明させて頂きます。長くなりますのでご容赦を。」


「手短に簡潔に話せ。」


 ジュースを飲みながらこっちを向かないで喋っているので、スマホを相手に差し出しながら話す。


「では、簡潔に。私は地球人です。この少女には『殺人1件。誘拐2件。この世界の遺体を弄んだ遺体損壊。誘拐した俺達を放置。そんな私達に行った精神的、肉体的操作を行なった為による精神的苦痛による暴行罪』の罪があると考えられています。

 メリスリリア様。この方はどなたかご存知ですか?名前が分かり次第、犯行に至った理由の説明。今後の対応の協議。裁定を行えればと考えています。」


 あ、やっとこっち向いてサングラスを外した。やばい!改めて見るが美人さんだな。エメラルドのように輝く瞳に驚く。あ、神様も驚いた顔をしている。


「何を言っている?お前はなんだ?人ではないな。」


「その説明と、犯人の特定の為に来ました。私をこの身体にしたのも、連れて来たのも、この少女です。」


「リエラ!何故お前がリエラの顔を知っている!」


「それでは詳細を説明させて頂きます。」


 そこから長く話した。地球で過ごしていた事。気が付いたら融合させられていた事。マモリちゃんの知っている真実を報告し、動画も見せた。


「この案件は私では対応出来ない。待っておれ。」


 すると、銀髪のウェーブの美形なのに、全身の筋肉が膨れ上がっている肉団子のような人が現れた。ボディビルでもガッツリ系の人だな。そして何故か腰ミノ1枚。


「どうした?メリスリリア。私を呼ぶなんて。数世紀ぶりかな?」


「私も呼ぶ事になるとは。そこの人型を見てみろ。」


「なんだい?『コレ』。私はこんな者は聞いていないぞ?」


「『コレ』は、リエラがやったようなのだ。」


「あの馬鹿妹があぁぁぁぁ!!!!!!!」


 身体が赤くなり、筋肉が一回り膨らんだ。そして消えていった。


「まず被害者側の最低限の要望を伝えます。まずは私達の生存の確約。勝手に書き換えられたり操作された内容の確認。場合によってはその修正。加害者の私達の要望も含まれた制裁。帰宅出来るかの確認。追加として、慰謝料請求。金品にかかわらず要望を請求します。この世界で、これは通用しますか?」


「適用される。殺人奴隷となる案件だ。残念ながら人の世界と、神の世界では違いがあるから、人は神を傷つけたり出来ないがな。」


 そうか。殴ってやろうかと思ったけど、ダメじゃん。そんな水着美女と話していると、筋肉達磨と因縁の少女が現れる。


「やめてよ!引っ張らないで兄さん!どこよ。ここ。あ、メリスリリア久しぶり。元気そうね。相変わらず暑い所に居るのね。どうしたのよ?」


 メリスリリア様は怒った表情を見せて告げる。


「あんた!『コレ』の説明を今すぐしなさい!!」


 口調が変わったな。素がこっちなら好感が持てる。あの少女は俺を見ると嫌そうな顔をしたが、直ぐに表情をすまし顔にして答える。


「なんですか?そのおぞましい『モノ』は。誰が一体こんな『モノ』をこの世界に連れてきたのですか。」


 知らないフリして逃げようとしてやがる。だが、証拠は上がってるんだぞ?


「あんたは知らないフリをしても無駄なのよ。証拠は上がっているのよ。」


「騙されてはいけません。そんなおぞましい『モノ』など早く追い出すのです。」


 俺は黙ってスマホの動画を音量最大で流した。画面には、鏡が数多く漂い、この世界でなさそうな空間。そして映し出される嘘を吐いた少女。そして紡がれる言葉。


「さて、面倒だから作り替えるより、現地の死体と混ぜちゃいましょう。さっき死んだばかりの肉体をベースに転移させて、混ざちゃえば呼吸も出来るし、きっと大丈夫でしょう。」


 筋肉達磨はまたプルプル震えている。顔も真っ赤だ。嘘つき女は顔を真っ青にしている。メリスリリア様は呆れた顔をしている。


「偽証罪も追加ですかね?加害者に罪の意識はありません。反省もしていません。」


「適用される。アンタ。私の所に来たのが久しぶりすぎて忘れたんじゃないの?ここは口に出した事が契約対象になるのよ。』


 あ、嘘つき女の首が飛んだ。そしてまたくっついた。死なないじゃないか!残念。


「それでは、私、大村雄一。マモリちゃん。ナノ君。死体のウォル君。の4名からリエラに対して罪に問います。メリスリリア様。そして異世界から来た者なので、名前を存じ上げません。筋肉美の素晴らしい方のお名前を伺っても宜しいですか?」


「済まなかったな。地球人。私の名前はタナティウス。残念ながらこの愚妹の兄をしている。」


「タナティウス様。初めまして。それでは私の今後の対応に関する窓口は何方にお願いすれば良いのでしょうか?」


 それに対して筋肉達磨が答える。


「それは私。タナティウスが対応をしよう。リエラ。私の権限により、お前の力を封印する。」


 言葉に出した瞬間、リエラのおでこと両腕に金色のアザが出来る。


「ち、ちょっとふざけないでよ!早く解除しなさいよ!馬鹿兄貴!筋肉達磨!」


 身内からも筋肉達磨と言われているのか。だが、力を封印されたとは良い事を聞いた。

 ユーイチは改めて最低限の要望はメリスリリア様に伝える。


「正当な請求だ。むしろ、真っ先にリエラを殺せと言わないだけ理性的だ。」


 そうだよね?俺もそう思う。だけど目的を果たすまでは傷付けないよ?


「では、主神から与えられた権限により、地球人。に今回の請求に対する結を『ちょっと待ってください!』...なんだ?まだ何かあるのか?」


 話しを詰める事をしない神様達だな。


「まずは何故転移されたのか聞きたいのですが。」


 リエラは無視をしている。うん。最低な女だな。舐めてるよな。こいつ。容赦しなくて良いよね。


「話さない場合はどうすれば良いですか?」


「説得するしかないな。神の身体は外傷を与える事は出来ぬ。神同士での争いは禁じられている。」


「それでは、私に説得する為の時間と地球の道具を貸してもらえませんか?私は神様を傷付ける事が出来ません。ですが説得に必要なので、リエラ様に触れる許可をください。

 話しを聞く為に必要な行為であり、私は説得の為の手段以外、触れない事を契約します。」


「了解した。日数はどの位を予定している?」


「最長で1週間ほど。」


「宜しい。許可しよう。メリスリリア。この2人の1週間の滞在を許して貰えるか?」


「いいわ。この子の自業自得ですもの。地球の説得の仕方にも興味はあるわ。」


「メリスリリア様。タナティウス様。ありがとうございます。それでは、家族に1週間の滞在を伝えて来ます。」


 不貞腐れてるリエラを放置して、俺は門に戻る。門の外には大勢の人が祈っており、ミリィちゃん達は立って待っていてくれた。グレッグ達も居る。そして大勢の人が祈っていたり、土下座をしており、何人か近寄って来た。


「なぁグレッグ。なんで人が集まってるの?」


 慌てた表情のグレッグ。


「ヤバいッス!神様が訪れると、光の柱が現れるって言われてるんですが、2本も立っているんで、神様が3人もいるらしいんです!」


「あぁ。それな。俺は神様との用事があって、1週間は戻って来れなさそうだから、何処かで宿を取って待っててくれるか?結果はどうなるか判らないが、とりあえず1週間は篭りっきりになる。

 あ、詐欺行為を働いた商業ギルドの連中に伝えておいてくれ。『神様に知らせたからな。』って。それと、神様2人に関しては別にそれで怒って何かするとかじゃないから安心してくれ。それじゃ子供達をよろしく。」


 そしてさっさと門を閉めた。後は知らん。


 さてお話し合い(拷問)の準備をするか。殴りはしないけど、恨みは晴らすぞ?




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誤字脱字が多いから修正が大変です。それでも後から書き直してたりしてるんですが、楽しいんですよ(笑)書き直したりして読んでると。

まぁへっぽこ作者なので、「なんでこんな言い回しを喋ってるんだ?」と直したり、よくよく見たら本人喋らないで脳内で喋ってる事が多いのに気が付いたので修正したりと楽しくやってます。

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