第33話
やっと目的まで辿り着いたユーイチ。ここから仕返しのターンになります。
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神様の居る場所へ戻るユーイチ。するとメリスリリア様に泣きつくリエラの姿が見える。
「ねぇ!助けてよリエラ!確かにちょこっとマズい事をしたけれど、大した事してないじゃない。ね?」
うん。反省してないな。馬鹿女リエラ。
「メリスリリア様。私の中に居る1人の子を少し増やすか、外から少し手伝いで呼ぶ許可を頂けますか?」
「あの子達はダメ。ここには制限をかけているから。」
「わかりました。では必要な物を伝えますので、準備をよろしくお願いします。」
そして俺は現在の確認をした。馬鹿女(リエラ)は神以外の暴力には無敵。水の中でも無酸素でも死なない。食べる必要無し。寝る必要無し。それ以外は少女。うん。なんとかなる。
「メリスリリア様はジュースや甘い物はお好きなんですか?」
「..まぁ1週間もいっしょだから、良いわよね。ユーイチと言ったわね。契約よ。私は威厳のある素晴らしき女神と外で話す事。砕けた口調などしていなかった。と答えるように。」
「わかりました。約束します。それでは、欲しい物なんですが、こんな感じで物を取り寄せお願いします。』
「地球の物には詳しくないけど、あんた何をするのよ?」
「それは勿論説得(ごうもん)です。」
「あんた、今、完全に拷問って言ったわよ?』
キノセイデスヨ?あ、荷物ありがとうございます。早速使ってみるかな。
SM道具って触る事が無いと思っていたけど、まさか触ることになるとは。
早速、馬鹿女リエラを追いかけて捕まえる。
「触んないでよ!馬鹿!やめなさい!汚らしい!」
後ろ側で手錠を付ける。そして足も手錠で固定する。さて。うるさいからギャグボールでも付けておくか。
「ふがぁふがぁ!」と騒ぐ馬鹿女リエラ。
そして俺は使った事が無いので、本で勉強だ。タイトルは『猿でも出来るSM緊縛術』だ。メリスリリア様も覗き込んでくる。
「これはなんの本なのかしら?」
「あー。これなんですけどね。日本の昔にある拷問技術が変化したのかな?最近だとピーー(放送禁止)に使われるピーー(放送禁止)の技術です。」
赤くなって後ろに飛ぶメリスリリア様。こっち系の知識は苦手かな?
「私だって名前くらいしか知りませんよ。だから勉強して拷問に使うんです。性的な事には使いませんから安心してください。」
「日本って怖い文化ね。」
マモリちゃんのお陰で早く勉強が終わった。って事で、マモリちゃんの操作する自動行動オートアクションで馬鹿女リエラを縛ってもらう。縛り方の名前なんか知らない。そしてこれから本題だ。
ビニールを何重にもして、取り寄せて貰った『うるし』を袋の中に入れて潰し始める。さて痒みは効くのかな?中の液体をハケで馬鹿女リエラに塗って、今日の作業は終了。
まぁ1週間あるし、時間をかけてちゃんと話して貰えるように説得しよう。
「あ、馬鹿女。半日に1回は口のやつを外してやる。話す気になったら勝手に話せ。気に入らなかったら続けるから。」
「とうとう素直に馬鹿女まで言い始めたわね。まぁ自業自得よ。ユーイチは暇になったら地球の話しをしてくれない?1度行ってみたいのよ。」
そんな会話をして1日目を終えた。放置して様子を見る。うまく行かなくても別の方法が有るからね。
食事に関しては、メリスリリア様が色々と地球の品物を取り寄せたりしていたので、マモリちゃんもナノ君も喜んでいた。
最初は堅物な話し方だったが、メリスリリア様は中々フレンドリーな方で好感を持てる。
今日はメリスリリア様のリクエストで、久しぶりのサビ抜きの寿司を食べる事に。マモリちゃん用に追加でデザートのプリンアラモード。ナノ君用に、有名店の激辛ラーメンが用意された。
「地球の知識やグルメは色々と手に入るんだけど、やっぱり生の魚を食べるってのに勇気が必要なのよ。」
そう言って、テーブルの上に乗せられたお寿司を眺める。メリスリリア様の格好が刺激的過ぎて、ユーイチは困る。寿司以外にも乗っているのだ。出来る限り見ないようにするユーイチ。
「生の魚に関しては、日本人でも好みが分かれる人もいますから、気にしないで平気かと。甘味が好きなら、アナゴや甘海老などから食べて、感触が独特なイカやタコは最後にした方が良いかもしれませんね。」
そんな話しをしながら、神様と食事をするより、美人さんと食事をする事に緊張するユーイチ。
食べ物の話しを聞くと、辛い物はNGと言う事で、お寿司はサビ抜きを頼んだ。スマホからはマモリちゃんの音声も流れているので、3人で会話をしつつ、美味しく頂いている。
まぁ後半は、追加でワサビを大量に足して食べたり、ラーメンを食べる事になるので、神様から可哀想な人を見る目線で見られたユーイチである。
食事を終えてユーイチ達は休む事にするが、ユーイチはメリスリリア様から離れた砂浜で横になると、満点の星空を眺めながら寝ようとする。
すると、ユーイチに隠れて、例の本を顔を赤くしながら片目を隠して、そっと眺めているメリスリリア様を見てしまった。なんか可愛いな。本人には秘密にしておこう。
2日目の朝。「ふごぉーー!ふごぉーー!!」と騒いでいる声で起きる。声の主は、砂浜をのたうち回ってる馬鹿女だ。メリスリリア様はドン引きした表情でそれを見ている。効いたみたいだ。良かった。良かった。ちなみに今日は南国風なデザインの水着を着ている。
「あんた何したのよ?私達には攻撃は効かないわよ?」
疑問に思われたので、説明しておくか。
「ええ。攻撃は効きません。ですが、『感覚はあります』。触ったら痒い。それが逆に仇となるんです。今味わっているのは『痒み』ですね。」
『ユーイチさん。流石です。神と名乗る物達の防御を突破したのですね。』
《ユーイチ。さすが。》
スマホで撮影しながら、ギャグボールを外してみる。
「かゆいぃぃい!早く外しなさいよね!!完全回復【パーフェクトヒール】!なんで回復しないのよ!」
それは筋肉達磨アニキに封じられているようだ。ざまあみろ。
「はい。次は半日後です。頑張りますね。ちなみに追加でこんなのも用意しました。『鳥の羽』です。
これでくすぐると、『ぎやぁぁあぁぁぁ!!』となります。定期的にくすぐっていきますから。」
そしてギャグボールをまた着ける。それを見たメリスリリア様は怯えた顔で伝える。
「アンタ最悪ね。この事は他の神にも報告するわよ?」
「どうぞ。報告は少しだけ待って貰って良いですか?黙っているという事は、まだ別の神ひとが関わっているかもしれません。
そして、私は神を害する為に行なっている訳ではありません。話しを聞く為の説得をしているのです。
あ、このブサイクな顔の入ったスマホは後であげますね。何かトラブルがあった時に使ってください。」
メリスリリア様は溜め息を吐きながら答える。
「...まぁ、後でありがたく受け取るわ。馬鹿娘には私も困らされた事が多いから、良い薬になるでしょう。」
さて、定期的にくすぐっていくのは面倒だが、これも説得だ。次は何にしようかな?鏡を置いて、自分の羞恥を見えるようにするか。そして鼻フックだ。
それから1時間後。よだれ塗れでピクピクしていた馬鹿女。もちろん動画に残した。メリスリリア様に回復を頼んで、意識を戻してから、同じ事を繰り返す事を伝える。
泣いて喋り始めた。だから俺はこう言った。
「まだ2日目の昼にもなっていませんよ?まだまだ新しい事が体験出来るのです。どうせ話す事なんて嘘なんでしょ?それなら聞く必要は有りません。
メリスリリア様。追加の『うるし』をお願いします。次は少し大変ですよ?裸にしてピーー(放送禁止)のピーー(放送禁止)にも入れますから。」
子供達には聞かせられない言葉だ。あ、大泣きしてる。メリスリリア様が抱き抱えて、俺の事を睨んでる。悪い事はしてないよ?話し合いだから。
『ユーイチさん。貴方に隠れた才能があったようです。殺人衝動は全く有りませんが、拷問衝動はあるようです。』
《ユーイチ。凄い。少し。怖い。》
(いやいやいや!俺はやった事ないから!それにそんな衝動も無いから!必要でやっただけです。それに俺を連れ去った仕返しも含まれてます。
ナノ君。俺はこんな事好きじゃないから!映画やら本で仕入れた知識だから!)
「メリスリリア様の温情で今はやりません。リエラ様。真実を話せば、この続きはやめてあげましょう。ちなみに今のレベルは3です。10段階ですからね。」
泣きながら話し始める馬鹿女リエラ。聞いたらやっぱり犯人は馬鹿女(リエラ)だった。
地球の神の1人であるクリュメシェと言う奴と話したくて、色々とやってしまった。
そして相手に貢いで、それでお返しに受け取ったのが俺だったと。しかも転移が適当で、届いた時にはごちゃ混ぜで死んでたらしい。それでマモリちゃんを強制的に融合させて、俺をサポートする様に命じたらしい。
「どうすれば良いですか?メリスリリア様。地球の神様らしいですけど。元凶の片割れ。」
メリスリリア様は腕を組んで怒りの表情を見せている。サッと視線をリエラに向ける。コイツには怒りしか湧かないから、丁度いいや。
「リエラにも被害を与えてるクソ野郎だから、同じ事をしていいわ。むしろ用意していたプランを全てやりなさい。女の敵だから。
タナティウスを呼ぶから、1度綺麗にするわよ。完全回復【パーフェクトヒール】。」
鼻フックを取り外して、拘束を外し、魔法をかけられて綺麗な姿になる。そして呼ばれるタナティウスが現れる。
その姿を見たリエラは、タナティウスに抱きつくと泣きながら謝り始める。
「お兄様!ごめんなさい。許してください。私が悪かったんです!ごめんなさい。2度とこんな事はしません。私が悪かったんです。だから許してください。だからもうくすぐられるのは嫌なの!お願いします。助けてください!お兄様!!」
抱きつきながら泣き叫ぶ妹を見て、困惑するタナティウス様。
「ユーイチと言ったな。お前はリエラに何をしたんだ?」
「はい。怪我をさせず、逃げれないように捕まえて、木の汁を塗って、羽でくすぐりました。くすぐった回数も100回も行なっていません。それより、真実がわかりました。」
内容は正確に伝えた。間違っていない。リエラから聞いた事を伝えると、顔を真っ赤にさせて、消える。そして次の瞬間。首と両腕に封印を施されたホスト崩れがタナティウスに首根っこを掴まれて現れる。
「ちょっと、お兄さん。乱暴すぎませんか?これは主神同士の問題として上がりますよ?あ!メリスちゃん久しぶり!今日も一段と輝いているね!やっと俺とご飯行ってくれる気になったのかい?こんな強引に誘うなんて、メリスちゃんも変わったね。だけど俺はそんな君も愛せる自信があるかは任せておいてよ!」
このホスト崩れのチャラ男が俺を殺したのか?そしてリエラはチャラ男を見つけると、叫ぶ!
「クリュメシェ様!早く謝って!!彼に謝って!!早く!!早く!!」
「どうしたリーちゃん。そんな泣いちゃって。何があったんだいハニー。大丈夫。俺に任せておけば問題無しさ。今すぐ君の涙を止めてあげるから。」
プルプル震えてる赤い筋肉達磨。神同士では手を出せないんですよね。わかります。俺は思いっきり右手を振りかぶり、攻撃が当たらないと言う事も忘れて顔面を殴り付ける。
「ゲギャ!」
拳は突き刺さり、鼻は折れたようだ。歯も一本飛んで砂浜に突き刺さった。
驚いて、思わず正面にいたタナティウス様の顔を見た。すると、満面の笑顔で親指を下に向けて自分の喉を掻き切るポーズを取る。
「いやあぁぁぁーー!!」
「誰だ(ボク!)お前は(バキッ!)や、やめ(ボキ!!)ギャれ」
砂浜にリエラの悲鳴が響き渡る。そして容赦の無い打撃音と男の悲鳴が響いた。
たまにタナティウス様から『そこを重点的にやるんだ!抉ぐるように!!』とのアドバイスを頂き、中々な時間をかけて殴り続け、少し満足した。何本いや、何十本か骨は折っておいた。
『お疲れ様でした。ユーイチさん。新たな才能が開花されたようで良かったです。この世界には必須ですからね。』
《ユーイチ。甘い物。食べよ。?。疲れ。てる。きっと。》
そっと回復【ヒール】をかけたタナティウス様。そしてこう伝える。
「どうした?何かあったか?俺は疲れていて幻覚を見たのかもしれない。人間が神を攻撃するなど有り得ない。さて飯でも食おう。親友よ。」
ガシッと肩を組まれた。暑苦しい。だが、あの瞬間。確かに心が通じた。理由はどうあれ。
「ちょっと待ってくださいね。ほら、拷問(話し合い)の準備をしますから。」
テキパキとロープで身体を縛り付け、今度は先に鼻フックにしておいた。鼻フックにはカラシを塗っておいた。うるし?もちろん多めに塗って、下半身を重点的にやってやりましたとも。
その後は皆で楽しい食事会を始めた。馬鹿女神リエラは怯えながらタナティウス様に隠れるように座り、ユーイチとマモリちゃんを融合した経緯を詳しく話した。
俺とマモリちゃんを融合させた時に、神様の使う鏡を使用したと。それのせいで、俺の身体は『神具』扱いで攻撃できたんじゃないかとタナティウスは言う。
「俺はここに宣言します!俺は危害を加えられない限り暴力行為は行いません。正しい理由があったり、神様から許可があった場合のみ。神様に暴力を振るいます。それ以外は振るいません。」
笑いながら拍手するメリスリリア様とタナティウス様。神様から許可があったら神様を殴る宣言が面白かったようだ。
その後は、あっという間の楽しくも刺激的な4日間を過ごした。神様達と食事したり、遊んだりするのは楽しかった。最後はみんなタメ口の許可まで貰えた。
あ、今回はレベル8までやってみた。内容はリエラにやった内容以上で、段々辛さを上げたソースを口に入れたり、ワサビとかカラシとか唐辛子など色々と試し、辛さに飽きたな?と思ったら、今度は臭い食べ物をあげた。
シュールなんちゃらも用意してあげて、泣いて喜んでいた。ほら、南国だから缶詰も悪くなりやすかったみたいだし、喜んで食べていたよ。4日かけて、やっと慣れない拷問(話し合い)が無事に終わって安心したユーイチなのであった。
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やっと当初考えていた場所は辿り着けました。紆余曲折が激しかったですが(汗)
ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。
ハートを毎回くれる方々。ありがとうございます。
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