終末世界に生きる少年は左手にイカヅチを宿す

かつて、栄華を極めた人類文明は終わりを迎えた。
それがいつなのか、何故なのかを知るものはいない。
どうでもいいから。
そんなことよりも、今日明日の自分の命の方が大切だから。
崩壊した建物、罅割れた荒野が広がり、かと思えばうっそうとした木々が乱立する場所。
そこらかしこに、人類に牙を剥く脅威が潜んでいる。
崩壊前に作り出された兵器たち。
遺伝子操作された動物兵器の末裔、成れの果てである「バケモン」
機械技術・工学を駆使して設計・生産された殺人機械「サッキ」
他にも野盗や悪人は数知れず。
そういった脅威に抗うために武器を手にし、町に巨大な壁を造っても、外に出なくていい訳もなく。
町の外へと出て過去の残骸、かつての栄華の残証を拾い集める者たちがいる。
貧乏くじを引かされたのか、自ら引いたのか。
そ…続きを読む