概要
魔法の存在する世界では、殺人の証拠隠滅なんていとも簡単だ
魔法と魔術の最高峰が集う「月の塔」で、魔術師の変死体が次々と発見される。腹部に縦一本、綺麗にメスを入れられた遺体からは、そこにあるはずの「遺石」が奪われていた。「ルヴァルフェンサ(遺石蒐集家)」と名付けられた連続殺人鬼を、魔術の使えない少年魔術師エテンが追う。
魔法で証拠を隠滅し、姿を変え、記憶を操作する犯人をどうやって追い詰めるのか? 魔法があるからこそ頭脳と勇気が試される、ファンタジックミステリー。
魔法で証拠を隠滅し、姿を変え、記憶を操作する犯人をどうやって追い詰めるのか? 魔法があるからこそ頭脳と勇気が試される、ファンタジックミステリー。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!かくも愛らしく懸命な少年探偵魔術師
本作のキャッチコピーを見た際に、期待と一抹の不安を同時に感じました。魔法が存在する世界での殺人事件──何しろ、どのようなトリックが可能なのか、「現実世界」の読者には検討がつかないのですから。例えば瞬間移動や記憶操作の魔法が突然トリックとして出てきたら、肩透かしだと思ってしまうかもしれません。
でも、実際に読み始めると不安は杞憂だったとすぐに分かりました。私たち読者の知る常識とは違っていても、真摯に「魔法を使って」現場を保存・検証し、証拠や証言を集めて推理を重ねるストーリーは歴としたミステリでした。魔法世界だからこそ何を疑うべきか、どのように推理を進めるべきか──そんな丁寧な描写を追ううちに…続きを読む