概要
そこは「森の民」と呼ばれる人たちが暮らす森。成り行きで薬草師見習いになった俺は、これも成り行きで唐揚げを作ることになる。けれど、料理は火をおこすところから、材料は狩りをするところから。鳥はさばく前に羽をむしる? 油は手に入るのか? 片栗粉は?
これは、異世界転移で指から唐揚げが出る能力を手に入れた俺が、能力に頼らずに自力で唐揚げを作れるようになり、そして唐揚げを作って食べるまでの記録。
※料理無双はありません。商売もしません。
※料理の範囲内で「残酷描写有り」というほどではありませんが、鳥の羽をむしって捌く描写が作中に含まれます。
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唐揚げが好きで唐揚げが食
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!唐揚げだけが生み出すことができる、異世界のリアル
唐揚げを作ろうとスーパーで材料を買った帰りに事故で異世界に転移してしまった主人公。彼の唐揚げへの未練がこの物語の骨子で、唐揚げを中心に話が展開していきます。
この物語の魅力は、単なる異世界転生ものとして捉えるにはあまりに深く練り上げられた、異世界の文化への描写です。
主人公が出会う異世界の人々の文化や服装や薬草、料理などの細かな描写と、彼らとの触れ合い方、会話などが、本当に異世界に行って魔法を使わずに唐揚げを作る行為がどれほど大変か、そしてどれほど意味がある行為かを分からせてくれます。
唐揚げを作ることを通して主人公が自分自身を顧みたり、周りと少しずつ心を通わせていく様子も胸が温まりました。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この作品が書籍化された暁には、全国の唐揚げ屋さんで売り切れが続出する!
とても堅実な異世界ファンタジーです。
RPGのような世界観・展開をそのまま小説にした作品ではないので、次から次へと劇的なイベントが起こるわけではありません。そういうものを期待してサクサク読んでいくのではなく、じっくりと腰を据えて読んでいきたい、という方々にお勧めします。
特殊能力をもった異世界転生ですが、その特殊能力を使わずに同じことを成し遂げよう、とするところに、この作品の妙味があるのでしょう。
唐揚げに特化した物語です。美味しさの表現には目を見張るものがあります。読めば必ず唐揚げが食べたくなること間違いなし! - ★★★ Excellent!!!唐揚げへの溢れる愛と静かな森のリアルライフファンタジー
異世界転移してしまった青年が、あまりの空腹に耐えかねて唐揚げが食べたいと願ったら、指から唐揚げが出てきた……?!
そんな突拍子もない設定の面白おかしい物語かと思いきや(いや面白いのですが)、魔法のあり方や、その世界に住む森の民の暮らしがしっかりと丁寧に描かれています。
やがて、森の中で彼を助けてくれた少女との出会いを経て、いよいよチャレンジするのは、唐揚げづくり……! まったく異なる世界での材料集めから、どうしてそこまで詳しいんですか?!と聞きたくなる食材の捌き方まで、これならもはや異世界に飛ばされてもいつでも唐揚げが作れるようになる気がする……!という不思議なリアリティのある物語…続きを読む