第18話

お姉様の部屋の前に着いた私は、扉の前に立っているお姉様の護衛に扉を開けてもらって中に入った。




「ただいま参りました、お姉様」


「来たわね、待っていたわ」




お姉様に挨拶をして顔を上げると、お姉様は後ろを振り向き、部屋の奥に向かって手招きをした。


すると、部屋の奥からソリーナ女学園の制服を着た女性が3人出てきた。




「奏歌、紹介するわ。彼女達は私の学友で、右から近衛若菜このえわかな比嘉小晴ひがこはる榊原日和さかきばらひよりよ」


「お初にお目にかかります。瑠歌の妹の奏歌と申します。以後お見知り置きを」




私が挨拶した後、お姉様の方をチラッと見てみると、お姉様は何かを企んでいるようにニコッと微笑んだ。




……やっぱりそうだ。何か企んでいる。


最初からおかしいと思っていたのだ。だって帰ってくるなり私を部屋に呼んで友達を紹介してきたんだよ?私の事は秘密にしていないといけないのに。


先輩だってことは恐らく"契り"のことだと思うけどね。




「奏歌、あなたにはこの3人の中から1人選び、姉妹の契りを結んでもらいます」


「先輩方の中からですか?」


「えぇ、そうよ。この3人の家は代表貴族の家で、他国に嫁ぐ事になってもいいように教育を受けているから適任だと思うの。でも、奏歌は3人のこと知らないでしょう?だからだから、返事は1週間後にもう一度聞くは」


「分かりました」




契りの相手はこの3人の先輩の中から選ぶのか……




この後の話し合いでどうやって選ぶのか話し合った結果、1人ずつ順番に1日交代で仮契約を結んで決めることに決まった。




「あと、高星家としてのお披露目のことだけど、凛歌と一緒にやる事に決まったわ。なので、凛歌が来るまでもう少し待ってもらう事になるわ」


「分かりました。では、失礼します」


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